HP-UX管理のはじめの一歩 |
最低限の設定は終わったので、より使いやすく環境を整備していくか、その前にHP-UXの特徴を簡単にまとめておこう。
UNIX系OSであれば基本操作はどのOSでも同じであるが、たとえば「Linuxであればパッケージ管理コマンドを覚える」など、それぞれのOSには管理していくうえでのポイントがある。HP-UXの場合は、次の3点を頭に入れておけばいいだろう。
HP-UXといえばSAM(System Administration Manager)だ(図8)。X環境、コンソールのどちらでも利用でき、ディスク構成、ネットワークなど、ほとんどの設定がこのツールだけで済んでしまう。
OS管理において最初に押さえておきたいのは、起動プロセスである。UNIX系OSは例外なく、カーネルが起動し、initプロセスから各種サービスを起動していく。違いが出るのは、initからの各種サービスの起動方法(順番)である。大きく分けて、単純なrcスクリプトファイルでサービスを起動していくものと、ランレベルを用意して複数のモードで起動できるものの2つがある。後者はさらに2つのパターンがあり、Linux系OSでよく使われている指定ランレベルのみ処理するものと、ランレベルを数値の小さいほうから段階的に処理していくものがある。
HP-UXでは、ランレベルを遷移させながら起動していくタイプで、デフォルトのランレベル3(/etc/initabのinitdefaultの値)で起動していく際、ランレベル1→2→3と処理していく。各ランレベルにおける起動スクリプト群は、/sbin/rc.?d以下にシンボリックリンクで用意され、実体は/sbin/init.d以下に置かれている。
OS起動後に適宜サービスを起動・停止させたい場合は、/sbin/init.d以下の起動スクリプトを「start」・「stop」の引数を付けて実行すれば良い。それぞれの起動スクリプトがどんな役割かを簡単に知りたい場合は、「start_msg」を引数に付けて実行するといいだろう。たとえば次のようになる。
# /sbin/init.d/secsh start_msg Starting HP-UX Secure Shell |
スクリプトを見ていただければ分かるが、このオプションは、起動メッセージのみを表示し、起動などの処理は行わない。出力される内容はOS起動時に表示される内容と同じだ。
以上を抑えておけば、後はman、grepなどを駆使していけば、時間が掛かっても答えにはたどり着けるだろう。また、http://docs.hp.com/ja/からたどれる各種ドキュメントは充実しているので、それらを参照していこう。
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