前回までで、IA-64のHP Integrity rx1600にHP-UX11iv2をインストールした。今回は、インストール直後の環境の整備を行う。XアプリをSSH経由で表示させる方法についても紹介していく。
rootでログインしたら、以降の作業が楽になるよう、以下の3点についてはすぐに作業しておこう。
標準では/(ルート)ディレクトリがrootアカウントのホームディレクトリになっているため、以降の各種設定やMozillaの起動などで、/ディレクトリにファイルが散らかってしまう。そこで、最初の作業として、適当なディレクトリを作成し、そこをrootアカウントのホームディレクトリとしたほうが良い。
どういった名前にするかは任意であるが、トラブル時に適応できるよう、/ディレクトリのあるパーティション(ルートパーティション)上に置くことは必須である。デフォルトの/.profileには、homeディレクトリ下を想定した「/home/root」というサンプル記述があるが、通常/homeは別パーティションになっているので、/home以下には置かないことになる。Linux環境などと行き来することを想定して、FHS(http://www.pathname.com/fhs/)に沿って、ここでは/rootに変更しておく。
# mkdir root # mv -p .* /root # vipw (/etc/passwdを編集) root:x:0:3::/:/sbin/sh ↓ root:x:0:3::/root:/sbin/sh
これでいったんexitでログアウトして、ログインし直せば完了だ。
gnome-terminal上のminicomから操作しているときなど、TERM設定が自動判別できす、ログイン時に「Value of TERM has been set to "unknown".」とメッセージが出てしまい、一部のキーが使えなくなることがある。もし、そういったメッセージを見るようなら、/root/.profileの最後にTERM設定を追加しておくといいだろう。
TERM=xterm(もしくはvt100) export TERM
編集後、ログインし直すか、「. .profile」と.(ドット)コマンドを実行して反映させておく。
rootのデフォルトシェルはPOSIX Shellである。これは入力行にviとEmacsの2つのモードがあり、これらのエディタと似た操作で行編集が行える。HP-UXでのデフォルトではviのモードなので、何かを入力してからEscキーを押し、Hキーなどを押してみるとその動作が分かるだろう。
Emacsやbashに慣れたユーザーなら、.profileの最後あたりに、
set -o emacs
と記述しておくと良い。ちなみにPOSIX Shellの各種設定は「set -o」で確認でき、viとemacsの項目はトグルになっている。
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