初のWindows CEウイルス出現

Windows CEに感染する初のウイルスが出現した。ウイルス作者は、拡散目的ではなく、「コンセプト実証」の目的で作成したものだと説明しているという。

» 2004年07月20日 07時54分 公開
[ITmedia]

 MicrosoftのWindows CEに感染する初のウイルス「WinCE4.Dust」の出現が、ウイルス対策各社から報告された。ただ、これはコンセプト実証型のウイルスで、危険度は低いと見られている。

 Symantecサイトに掲載された情報によれば、このウイルスはARM搭載のWindows CEデバイスのみに感染する。実行されると、実行を続けてもいいかどうかユーザーに尋ねるメッセージが表示され、これに同意すると、ディレクトリ内部でまだ感染していないすべてのexeファイルに感染する。

 ルーマニアのセキュリティ企業BitDefenderの報告では、このウイルスの作者は「Ratter」を名乗る人物で、国際組織29A VXのメンバー。自ら記したメッセージの中で、このウイルスは拡散目的ではなく、「コンセプト実証」の目的で作成したものだと説明しているという。

 29Aは、携帯電話を標的とした初のワーム「Cabir」の作成にもかかわったとされるグループ。「Cabirの作者と同様、Dustの作者も大規模に増殖させる目的でこれを作成したわけではなく、Windows CE搭載デバイスも悪質なコードに感染し得るという実証を目的としている。このコードは広範にばら撒まかれることなく、まずウイルス対策専門家に送られた」。BitDefenderはこう解説している。

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