ITの複雑性を統合プラットフォームソリューションで解決するMSTech・Ed基調講演

横浜で開催されているMicrosoft Tech・Ed 2004は、二日目の9月8日が本格的なセッションの開始日となった。ローディング社長による基調講演は、マイクロソフトのテクノロジーの集大成ともいえるメッセージ色の濃い内容となっている。

» 2004年09月09日 00時22分 公開
[ITmedia]

 Tech・Edの二日目となる9月8日、大ホールで行われた基調講演ではマイクロソフト代表執行役 社長 兼マイクロソフト コーポレーション コーポレートバイスプレジデントのマイクロソフト マイケル・ローディング氏が壇上に立った。

 Visual Studio 2005とSQL Server 2005という2つの大きなプロダクトのリリースを間近に控えるマイクロソフトにとって、今回のTech・Ed 2005はユーザー、とくにデベロッパーへのアピールを行う重要なイベントとなる。何といってもこの2製品は、その成否にユーザーシェアが大きく影響する重要なプロダクトだ。

 ローディング氏はユーザーへのアピールとして、情報をより早く的確に提供するという側面で話題を展開した。そのためのユーザーコミュニティへの支援や、オンラインはもちろんオフラインでも実際に対面してコミュニケーションするという姿勢で、開発者をはじめ幅広い多くの顧客への支援を行い、そのための投資を拡大していくことを明らかにした。

ユーザーコミュニティの重要性を指摘し、「コミュニティが反映することを望んでいる」と述べるローディング氏。

 続いて登壇したのは、マイクロソフト コーポレーション サーバー&ツールマーケティング担当 コーポレートバイスプレジデントのアンドリュー・リーズ氏。

 リーズ氏の講演は、ある企業が持つITに関する悩みをマイクロソフトのソリューションが解決する、という寸劇仕立てのドラマをはさみながら行われた。

 開発者、ITPro、インフォメーションワーカーは日々、それぞれが効率化を目指してITを駆使している。だが、そこには共通のハードルがある。それが「複雑化」だ。リーズ氏は、この問題が技術利用のあり方だけではなく、ITライフサイクル全体に対して影響を与えていると述べる。企業内で複雑化が増大するとよりコストがかかるようになり、ビジネスがダウンする危険性が増す。結果的にITバリューの低下という結果をもたらす。

マイクロソフト コーポレーション サーバー&ツール マーケティング担当 コーポレートバイスプレジデントのアンドリュー・リーズ氏。

 これに対処するためにマイクロソフトは、統合テクノロジープラットフォームという概念を掲げる。つまり、Windowsと.NETの技術によってビジネスの複雑化を取り除き、コスト管理やTCO削減などを容易に行えるプラットフォームを実現しようとする考え方である。

 例えばWindows Server Systemという一連の製品により、オペレーション、アプリケーション、そしてインフォメーションワーカーという3つのインフラストラクチャが成立する。その作り込みについては、「Common Engineering Criteria 2005」という基準を設けて、結果的にセキュリティの高いシステム構築を可能にするなど、より高いレベルでの統合化が進んでいくとリーズ氏は言う。

 Dynamic Systems Initiative(DSI)による容易に導入・運用・管理の可能なシステム構築や、信頼できるコンピューティングといったイニシアチブを掲げながら、より多くのビジネスバリューを生み出していくことが、現在のマイクロソフトの目的だとリーズ氏は述べた。

 こうしたシナリオの中で、VSからSMS、MOM、ISA Server、そしてRMSまで同社の最新テクノロジーすべてを網羅するようなデモンストレーションが行われた。ようやく、マイクロソフトとしてのトータルな「解」を提示できるフェーズになったように見える。

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