RFID前夜:UFJもいいけどUHFにも注目

RFID関連で関係者が大注目しているのはUHF(Ultra High Frequency)。経済産業省は、2004年3月から、家電、アパレル、出版、商品流通の分野で実験許可を取り、UHF帯での実証実験を開始した。

» 2004年09月09日 02時33分 公開
[無量林順正,ITmedia]

 銀行業界では、三菱東京フィナンシャルグループによるUFJ銀行の買収を巡り、三井住友フォールディングスが、株主に有利な条件を出すことでUFJの敵対的買収を目論むなど、経済界の注目を集める。

 だが、RFID関連で関係者が大注目しているのは、字面は似ているがUFJでなくUHF(Ultra High Frequency)だ。

UHF帯がRFID用に開放へ

 総務省は、「商品流通においてICタグの効果を発揮しやすいUHF帯の周波数について、950〜956MHzにおいて速やかに使用できる可能性がある。」としている。

 また、経済産業省は、2004年3月から、家電、アパレル、出版、商品流通の分野で実験許可を取り、UHF帯での実証実験を開始した。

 UHF帯の特徴は次の通り。

  • 2.45GHと比べて電波の回り込みが大きい
  • 低出力で通信距離も比較的長い
  • 水分による影響が少ない

 UHF帯の開放により従来よりもさまざまな面で、RFIDシステムの実用化が技術的に近づく。

今後の進展

 950〜956MHzについては、技術仕様を実証実験を含めて詳細に検討する予定。制度化に向けては、送信出力、占有周波数帯幅、スプリアス特性、変調方式などの詳細検討が必要になるという。

 これらは、実証実験を経て、情報通信審議会における技術基準などの審議、電波監理審議会における省令などの審議が必要になる。

 また、ISO/IEC1800-6において、以前は対象とする周波数の範囲が860〜930MHzとされていたが、2003年10月に日本からUHF帯開放に関する提案が行われたことから、範囲が860〜960MHzに拡張された。

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