そういう意味では、電話番号を盗まれたりすることよりは、プライバシーの問題はずっと小さいことであって、あまりにナーバスになるという状況は、私としても理解できません。ただ、そのIDにヒモづけて、いろいろな情報が管理されるようになった暁に、そこをどう防御するかは問題だと思います。
一方で、今ICタグをビジネスに使おうとしているのは、ざっと言うと、流通の手前の話なわけです。ですから、その部分に関しては、個人のプライバシーという問題ではなく、企業間でどうセキュリティを担保するか、アクセサビリティをコントロールしていくかが課題になります。
もう1つは、プライバシーの問題が発生するためには、単品ごとにICタグがついていなくてはなりません。今想定されているRFIDシステムは、ケースレベルが中心です。つまり、(パレットなど)集合梱包のダンボールに1個つけましょうというレベルです。
将来的には、単品に付く可能性はありますが、1個100円くらいの商品に1つずつICタグが付けられるというのは、少し先の話になると考えます。もし付くとしたら、商品単価の高いデジカメや家電、高価格の薬などになると思います。
ITmedia チップを作っているメーカーにはどんな企業がありますか?
堀田 日本で有名なのは「ミューチップ」を開発した日立製作所です。また、ソニーのFelicaも含まれます。
海外ならPhillips、Texas Instruments、ベンチャー系ならMatrix、Alienなどです。Intelは、Intelの半導体の中に、RFテクノロジーを埋め込もうとしています。この話は、チップとして単体で、Identification用に作られると「ICタグ」なんですが、半導体の中に技術を内臓させることもできるわけです。
例えば、赤外線やBluetoothで通信することや、WiFiの無線LANで通信することと、ICタグの技術でデータのやり取りを行うことも結果は同じことです。いわゆるNFC(Near Field Communication)の1つとして、ICタグで使われるコミュニケーションの技術を半導体に埋め込む動きもあります。
東芝テックのRFID対応POSターミナル。バーコードとの併用も可能という。
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