RFIDでプライバシーの心配は無用?Special:RFIDが変革する小売の姿(2/2 ページ)

» 2004年09月09日 21時45分 公開
[聞き手:怒賀新也,ITmedia]
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 そういう意味では、電話番号を盗まれたりすることよりは、プライバシーの問題はずっと小さいことであって、あまりにナーバスになるという状況は、私としても理解できません。ただ、そのIDにヒモづけて、いろいろな情報が管理されるようになった暁に、そこをどう防御するかは問題だと思います。

 一方で、今ICタグをビジネスに使おうとしているのは、ざっと言うと、流通の手前の話なわけです。ですから、その部分に関しては、個人のプライバシーという問題ではなく、企業間でどうセキュリティを担保するか、アクセサビリティをコントロールしていくかが課題になります。

 もう1つは、プライバシーの問題が発生するためには、単品ごとにICタグがついていなくてはなりません。今想定されているRFIDシステムは、ケースレベルが中心です。つまり、(パレットなど)集合梱包のダンボールに1個つけましょうというレベルです。

 将来的には、単品に付く可能性はありますが、1個100円くらいの商品に1つずつICタグが付けられるというのは、少し先の話になると考えます。もし付くとしたら、商品単価の高いデジカメや家電、高価格の薬などになると思います。

ITmedia チップを作っているメーカーにはどんな企業がありますか?

堀田 日本で有名なのは「ミューチップ」を開発した日立製作所です。また、ソニーのFelicaも含まれます。

 海外ならPhillips、Texas Instruments、ベンチャー系ならMatrix、Alienなどです。Intelは、Intelの半導体の中に、RFテクノロジーを埋め込もうとしています。この話は、チップとして単体で、Identification用に作られると「ICタグ」なんですが、半導体の中に技術を内臓させることもできるわけです。

 例えば、赤外線やBluetoothで通信することや、WiFiの無線LANで通信することと、ICタグの技術でデータのやり取りを行うことも結果は同じことです。いわゆるNFC(Near Field Communication)の1つとして、ICタグで使われるコミュニケーションの技術を半導体に埋め込む動きもあります。

東芝テックのRFID対応POSターミナル。バーコードとの併用も可能という。



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