Visioが提唱するグラフィックコミュニケーションズ第三回(1/2 ページ)

Microsoft Office Visio 2003が実現するビジネス図と情報の統合化は、企業活動におけるさまざまな局面で有効なソリューションとなる。現場が抱える問題に対して、どのようにVisioが応えているかを見てみることにしよう。

» 2004年09月14日 19時20分 公開
[井上健語, 池田利夫(ジャムハウス),ITmedia]

 Visioの背後にはマイクロソフトが提案する「グラフィックコミュニケーションズ」というアイデアがある。このアイデアが、Visioをたんなるグラフィックスソフト以上のソフトに仕立てているのだ。今回は、VisioによってITプロフェッショナルが受ける具体的なメリットを整理し、Visioによって実現されるグラフィックコミュニケーションズの世界を解説しよう。

Visioが解決するITプロフェッショナルが抱える悩み

 第一回、第二回ではITプロフェッショナルにとってのVisioのメリットを、機能・操作を交えて紹介した。まずは、これまでの情報を整理するため、「ネットワーク管理者」「Webコンテンツ管理者/制作者」「アプリケーション開発/データベース設計者」ごとに、現場が抱える切実な悩みに対し、Visioがどう応えてるかをまとめよう。

ネットワーク管理者とVisio

悩み:見栄えのするネットワーク図を描くのは大変

 Visioのステンシルを使えば、ドラッグ&ドロップで複雑なネットワーク図を簡単に描ける。一般的なグラフィックソフトのような描画作業は不要なので、ネットワーク図の作成は格段に楽になり、ネットワーク図のクオリティも上がる。

悩み:ネットワーク図にいろいろな情報を載せると図面が見にくくなる

 ハブ、ルータ、サーバ、ケーブルなどの図面にはカスタムプロパティ情報を入力できる。カスタムプロパティの情報は必要なときだけ表示できるので、図面が見にくくなることはない。

悩み:作成したネットワーク図が活用・共有されない

 作成したネットワーク図はWebページとして出力できる。イントラネットに公開すれば、Visioがなくてもブラウザでネットワーク図を表示できる。さらに、ブラウザ上で個々の図面に埋め込まれたプロパティ情報を表示したり、図面を検索することもできる。

悩み:オリジナルの図面を描くのは大変

 必要であれば、独自のステンシルを作成できる。また、市販のステンシルやフリーでダウンロードできるステンシルを追加すれば、オリジナルの図面を増やすのも簡単だ。

悩み:ネットワーク機器の情報を管理するのが面倒

 図面に入力したカスタムプロパティ情報は、Excel形式やHTML形式、XML形式でエクスポートできるので、他のOfficeアプリケーションで活用できる。さらにVBAを使ってExcelなどと連携させ、ネットワーク図からExcelの見積書を作成したり、Accessのデータベースとネットワーク図のプロパティ情報を同期させることもできる。

悩み:ネットワーク構成が変化するたびにネットワーク図を修正するのは面倒

 Visioには豊富なアドインツールか用意されている。ネットワーク構成を自動的に調べ、ネットワーク図を自動描画するツールを使えば、手作業でネットワーク図を作成・更新する必要はなくなる。

Webコンテンツ管理者/制作者とVisio

悩み:見栄えのするサイトマップを描くのは大変

 Visioにはサイトマップを描くのに便利なステンシルが揃っている。さらに、URLを指定して自動的にサイトマップを描く機能が標準で用意されている。この機能を使えば、作成の手間はまったくかからないし、リンク切れなども同時にチェックできる。

悩み:更新のたびにサイトマップを修正しなければならない

 サイトマップの自動作成機能を使えば、手作業で修正する必要はない。さらに、一定期間をおいて自動作成したサイトマップの違いをレポートする機能も用意されているので、サイトのどこが変化したかをすぐに確認できる。

悩み:サイトマップにいろいろな情報を載せると見にくくなる

 サイトマップにもカスタムプロパティを設定できる。HTMLファイルや画像の作者情報、掲載期間、ファイルサイズ、更新日時などの情報を入力しても、サイトマップが見づらくなる心配はない。

アプリケーション開発/データベース設計者とVisio

悩み:見栄えのする仕様書を描くのは大変だし、そんな時間もない

 Visioにはプログラム開発、データベース設計に役立つステンシルが豊富に用意されている。また、既存のデータベースからデータベース構造を自動的に図面化したり、Visual C++、Visual Basic、Visual C# のソースコードからUMLのクラス図を自動生成できる「リバースエンジニアリング機能」が用意されている。

悩み:仕様書にいろいろな情報を載せると見にくくなる

 カスタムプロパティで仕様書にさまざまな情報を入力できるので、仕様書が見にくくなることはない。さらに、入力した情報は必要に応じてExcel形式やHTML形式、XML形式でエクスポートできる。

Visioが提案するグラフィックコミュニケーションズ

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