OpenOffice.org Conferance 2004がドイツで開催、2.0進捗や各国コミュニティが会す(1/2 ページ)

2005年3月予定の新版2.0リリースを控え、OOoカンファレンスは活気を見せた。OASIS標準フォーマットやXMLについて、各国コミュニティ報告など多くのセッションがそろった。

» 2004年10月01日 17時37分 公開
[可知 豊,ITmedia]

 9月22〜24日までの3日間、ドイツ・ベルリン、フンボルト大学のErwin Schrodingerセンターで「OpenOffice.org Conferance 2004」が開催された。

開催地となったフンボルト大学 Erwin Schrodingerセンター

 本カンファレンスは、オープンソースソフトウェア(OSS)のオフィススイート「OpenOffice.org」のコミュニティにより開催されたもの。OpenOffice.orgの開発者を始め、ビジネス利用者や各国のローカルコミュニティのメンバーなどが集まった。国内からも、日本ユーザー会のメンバーなど6名が参加した。

 OpenOffice.orgでは、英語版や日本語版などの各国語版を、ドイツのハンブルクにあるOpenOffice.orgリリースエンジニアリングチームが中心になって開発している。そのため、昨年のハンブルグに続いて、ドイツでの開催となった。

 カンファレンスでは、セミナー形式のセッションとドイツのOpenOffice.org関連企業による展示会が行われた。

 セッションでの話題の中心は、2005年3月にリリース予定の新バージョン2.0と、OASISの標準文書フォーマット、XML技術、各国ローカルコミュニティによる活動報告。展示会では、Sun Microsystems(以下、Sun)やドイツのOpenOffice.org、およびXML関連企業のほか、マイクロソフトも展示を行っていた(後述)。このほかに、コミュニティ中心のメンバーが会しグループミーティングも行われた。

2005年登場の新版OpenOffice.org 2.0のポイントは

 前述のように、OpenOffice.orgは、2005年3月に新バージョン2.0のリリースを予定している。コンファレンスでは、幾つかのセッションで2.0の新機能が紹介された。

 「What's New in OpenOffice.org2.0」と題されたセッションでは、SunのProduct Manager User ExperienceであるFalko Tesch氏により、新バージョンのデモが行われた。

 新バージョンでは、使い勝手の向上と、Microsoft Officeとの互換性向上が図られている。たとえば、メニューやツールバーをmicrosft Officeに似せることで、移行の敷居を下げる狙いだ。また、書式のコピー・貼り付けツール(いわゆる書式ブラシ)を装備した。

 プレゼンテーションツール「Impress」では、PowerPointと同じように、タスク指向レイアウトに変更されている。

 このほかの機能としては、動作環境が提供するWidgetを使用するように改良されたり、データベースツールOpenOfficeBaseが付属するなどの改良がある。

 2004年9月現在、この新バージョンのアルファ版に相当する1.9.mXが公開されている(mは、マイルストーンの略)。最新版は1.9.m54であり、ダウンロード可能だ。英語版のみの公開だが、日本語にも対応されている。

レイアウトがPowerPoint風になったImpress

 新機能の詳細については、新バージョンのコンセプト資料で知ることができる。日本語訳が、日本ユーザー会により公開されているので、こちらを参考にしてほしい

 日本語版ユーザーは、特に罫線をドラッグ&ドロップで描く機能を待ち望んでいると聞く。2.0では、残念ながらこの機能が盛り込まれなかった。

 しかし、「Office Suite Market in China and CS2C's Practice」と題されたセッションでは、中国のChina Standard SoftwareのNeoshine Office Technical Manager、Yuhao Chen氏によって、この機能が披露された。

 現在のところは、「Neoshine Office」と呼ぶOpenOffice.orgの派生品に実装している機能だが、今後はOpenOffice.orgに統合する予定だという。セッションのあとで、詳細をデモンストレーションしてもらったところ、Microsoft Officeライクな罫線機能が実現されていた。

ドラッグ&ドロップで罫線を描くNeoshine Office

 今回のカンファレンスでは、OpenOffice.orgのファイルフォーマットとXMLのセッションも集中して行われた。

 併せて、展示会場模様も紹介しよう。

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