マーキュリー、統合QAソリューション環境「Mercury Quality Center」を発表

マーキュリー・インタラクティブ・ジャパンは10月4日、高品質のアプリケーションソフトウェアを、迅速にデリバリするために必要なテスト管理、ビジネスプロセステスト、および機能テスト環境を提供する統合テストソリューションを発表した。

» 2004年10月04日 19時23分 公開
[ITmedia]

 マーキュリー・インタラクティブ・ジャパンは10月4日、高品質のアプリケーションソフトウェアを、迅速にデリバリするために必要なテスト管理、ビジネスプロセステスト、および機能テスト環境を提供する統合テストソリューション「Mercury Quality Center」を発表した。

 マーキュリー・インタラクティブ・ジャパンの代表取締役であるウィルソン・タン氏は、「今日のCIOが担う役割は、これまでのように社内の生産性など組織内に限定されたものを扱うことではなく、ITを用いてどう収益をあげるかといったビジネス全体に目を向ける必要があるものになっている」と話し、自社製品によってITのビジネス価値の最適化を進めていきたいと述べた。ちなみに、同社のテスト製品は、国内でいうとサイボウズのグループウェア製品開発などで利用されている。

ウィルソン・タン氏 「開発はアウトソースできるが、問題はアウトソースできない。アウトソースしても品質は維持する必要があるし、CIOがバンドルできるものでなければならない」と話すタン氏

新製品の概要

 Mercury Quality Centerはソリューションの名称であり、以下の図を見ると、具体的な製品としては次の4つのソフトウェアコンポーネントで構成されていることが分かる(カッコ内は今回発表されたバージョン)。

  • 「Mercury TestDirector for Quality Center」(8.0)
  • 「Mercury Business Process Testing」(新製品:バージョンは8.0)
  • 「Mercury QuickTest Professional」(8.0.1)、「Mercury WinRunner」
  • 「Mercury Application Delivery Dashboard」(新製品:
Mercury Quality Centerの全体像(クリックで拡大します)

 また、図の下部を見ると、Application Delivery Foundationを共通基盤とし、各コンポーネントの機能を連携して、ワークフロー、テストデータ/スクリプト、およびレポートなどが共有可能となっており、アプリケーションのライフサイクル全体にわたるアプリケーション・デリバリを実現しようとしていることが分かる。

 このうち、「Mercury Application Delivery Dashboard」を除く製品は日本語化されたものが10月8日から出荷されるが、上記製品の日本語対応版は2005年出荷予定。

「TestDirector for Quality Center 8.0日本語版」は、テスト要件の定義、テストの計画とスケジューリング、テスト結果の分析、不具合の追跡までのテスト工程全体の一元管理を支援する製品で、同社の「TestDirector 8.0」の上位製品となる。

 多くのテスト関係者が情報を共有できる環境を提供するため、利用ユーザー数の増加に対応可能にするべくアーキテクチャが大幅に変更された。たとえば、JBossやWebLogicなどのアプリケーションサーバ上で稼働するほか、フルクラスタリングのサポート、JDBC type4でデータベースサーバにダイレクトアクセス可能になったことが挙げられる。

「Business Process Testing 8.0日本語版」は、業務プロセスの処理ステップを、ビジネスコンポーネントとして定義し、処理フロー全体のテスト設計を、業務プロセス設計者がGUIから操作できるビジネスプロセス設計検証のための機能。

 従来は、処理フロー全体をテストするために、業務プロセス設計者の処理フロー設計書に従って、テスト担当者がテスト設計し、各ステップを構成するプログラムが完成し検証された後にその業務処理を実行してテストを行っていた。

 これに対しBusiness Process Testingでは、業務プロセス設計者自身がテスト設計を行うことで複雑なテストケースを十分に網羅したテスト設計が可能になるとしている。また、各プログラムの完成を待たずにテスト準備を開始でき、プログラムごとに作成したQuickTest Professional のテストスクリプトを業務処理フローのテストに利用可能なため、テスト期間が短縮できる。

「QuickTest Professional 8.0.1日本語版」は、アプリケーションのGUI操作をテストシナリオとして記録し、機能テストを短期間に確実に実施する機能テストツールとして、キーワード駆動型テスト機能や自動ドキュメント化機能を新たに実装したほか、Unicodeアプリケーションの記録と再生をサポートしている。

「Mercury Application Delivery Dashboard」は、Mercury Quality Centerで進行している複数のプロジェクトの管理指標(KPI)やその詳細を、Webベースのユーザインタフェースでリアルタイムに提供するもの。開発システム全体に責任をもつCIOやIT部門のマネージャは、各プロジェクトが予定通り進んでいるか、問題がある場合はその原因がどこにあるかを的確に把握できることになる。KPIは予め用意された24種類のほか、カスタマイズも可能となっている。

 最小構成価格はそれぞれ次のとおり。なお、Mercury Business Process Testingは、別途TestDirector for Quality Centerが必要となる。

  • 「Mercury TestDirector for Quality Center 8.0日本語版」:480万円(5ユーザー)
  • 「Mercury Business Process Testing 8.0日本語版」:32万円(1ユーザー)
  • 「Mercury QuickTest Professional 8.0.1日本語版」:96万円(1ユーザーシートライセンス)

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