スパムメール対策の最大の問題は「誤検出時の対処」

クリアスウィフトは10月14日、「MAILsweeper Business Suite」をはじめとする同社製品群についての説明会を開催した。

» 2004年10月14日 23時44分 公開
[高橋睦美,ITmedia]

 クリアスウィフトは10月14日、先日リリースした「MAILsweeper Business Suite」の機能説明を交えながら、今後のロードマップについて紹介した。

 MAILsweeper Business Suiteは、電子メールコンテンツセキュリティ製品の「MAILsweeper 4.3 for SMTP」に、これまで別モジュールとして提供されてきた「アンチスパムソリューション」「REMOTEmanager」を組み合わせたスイート製品だ。

 MAILsweeper Business Suiteは学習フィルタも含めて完全に日本語に対応したほか、スパム検出技術の向上も図られた。具体的には、テキスト分析のほかベイズ分析、ヒューリスティックという、これまでも用いられてきた3つのアルゴリズムに、データマイニング手法を組み合わせることで、「スパムらしさ」をより正確に判断できるという。

 もう1つポイントとなる機能が、検出されたスパムメールの処理をネットワーク管理者から個々のユーザーに任せる「パーソナル メッセージ マネジメント」(PPM)である。

 MAILsweeperおよびアンチスパムフィルターによる検査の結果「スパム」と判断された電子メールは、いったん隔離エリアに移動させられる(=検疫される)が、その後、当該メールをスパムとして排除するか、それとも実は必要なメールとして取り込むかの判断が必要になる。この作業が、ネットワーク管理者の負担となっていた。PPMはそれを個々のユーザーの判断に委ねることで、管理負荷を減らすとともに、結果的に「誤検出」をゼロにするという。

確認画面 スパムと判断されたメールは、ユーザー自身がこうした画面を通じて「削除」するか「解放」するかを選択することになる

 同社セールスエンジニアの鈴木賢剛氏は、「スパム検出における最大の問題は、ビジネス上必要なメールをスパムとして検出してしまったときにどうするかということだ」と述べ、PPMによってユーザー自身がスパムかそうでないかの判断を下せるようになったとした。

 クリアスゥイフトでは2005年3月をめどに、MAILsweeperのメジャーバージョンアップを予定しているが、このMAILsweeper v5ではPMMの機能がさらに強化されるという。現行のPMMでは、URLの文字列が分かれば他人の検疫メールを盗み見ることが可能だが、v5ではメールごとにパスワードを発行し、認証を経ない限りメッセージの確認を行えない仕組みになる。また、出張などに備え、スパムメールの確認/処理を上長などに委ねる仕組みも加わる予定だ。

 同社ではもう1つ、別の方向でのソリューション開発も進めている。個人情報保護法への対応などをにらんだ、アーカイブ機能の強化だ。

 「現在では、アーカイブ機能に対するニーズは二分化している」と、同社マーケティングディレクターの宮本哲也氏は述べた。1つは、情報漏洩の抑止効果を期待するというもので、この場合は保存や事後検索などの仕組みがあれば十分だという。もう1つは、各種法規制への準拠(コンプライアンス)をにらんだもので、この場合は膨大な量に上る電子メールデータの高速検索やフィルタリングと連携した効率的な保存、さらには原本性の確保といった要素が求められる。

 クリアスウィフトでは既に、「CSE Archive Mail Retriever」「Savvy for CS MAILsweeper」という2製品との連携を実現しているが、さまざまなアーカイブのニーズに対応するため、今後もそのラインナップを拡大していく方針だという。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ