iSeriesの「輝き」をもう一度 ―― てこ入れに乗り出したIBM(1/2 ページ)

3カ月前にIBM eServer iSeries部門のGMに任命されたボーマン氏は、同プラットフォームがレガシーとの誤解されていると指摘、業界でトップ3に入るというイメージを復活させる必要があるとした。

» 2004年10月19日 23時45分 公開
[IDG Japan]
IDG

 IBMは、「iSeries」システムのイメージアップとサポート強化を図ろうとしている。同システムはレガシープラットフォームと誤解されているために、ITマネジャーのレーダーに引っかからない可能性があるというのが理由だ

 IBMのeServer iSeries部門のゼネラルマネジャーに3カ月前に任命されたマイク・ボーマン氏は、「われわれの星は少し輝きを失ってきたように思う。この状況は改善しなければならない。iSeriesは業界でトップ2あるいはトップ3に入るファミリーだというイメージを復活させる必要がある」と話す。

 ボーマン氏は米国時間の10月17日、数百名のiSeriesユーザーが集まったCommon主催の「Fall 2004」カンファレンスで講演を行った。カナダのトロントで開催された同ユーザーグループのミーティングでボーマン氏および同氏の管理チームは、ユーザーからの多岐にわたる質問に対応した。これらのユーザーの多くはそのキャリアの大半にわたって、16年の歴史を持ち、かつては「AS/400」の名前で知られていた同システムと付き合ってきた。

 ユーザーらは、iSeriesに対するIBMのマーケティング姿勢、そして同製品の顧客ベースを20万社以上に拡大するという同社の取り組みに疑問を投げかけた。「同システムはほかのシリーズとの差異が失われているのではないか」「大学に対するサポートが必要ではないのか」と質問するユーザーもいた。また、システムアップグレードの早期採用ユーザーからは、最近のアップグレードコンポーネントの品質を懸念する声も聞かれた。

 しかし、われわれが取材したユーザーらは、iSeriesの長期的方向性および同社の長期的なコミット姿勢については不安を抱きながらも、同製品の統合性、安定性および技術の価値に対しては全般的に好意的だった。

ユーザーはIBMのマーケティングに疑問

 カンファレンスに参加したPerishable Distributors of Iowaのプロジェクト開発マネジャー、ダン・スワインハート氏によると、IBMの担当者はこのシステムをAS/400とiSeriesの両方の名前で呼んでいるが、使い分けが明確ではなく、ユーザーを混乱させているという。

 「製品をきちんと区別することもできないで、その製品にフォーカスし、マーケティングができるのだろうか?」とスワインハート氏は疑問を呈する。

 ニューヨーク州イサカにある大手自動車部品メーカーのBorg-Warner Morse TECでITディレクターを務めるウィリアム・マシニスト氏によると、iSeriesは「岩のように堅牢」だという。

 同プラットフォームの熱烈な支持者であるマシニスト氏は、その将来については心配していないと話す。しかし同氏を含む一部のユーザーは、学生に同アーキテクチャーのトレーニングを受けさせるためにIBMは教育機関との連携を密にする必要があると考えている。

 マシニスト氏は、ボーマン氏の発言には「本気でコミットする気持ち」が感じられたと話す。

 「彼は自分がすべきことを知っており、それを実行するつもりだ」(ボーマン氏)

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