日本ストレージ・テクノロジーは10月21日、同社のILM戦略を一歩推し進めるため、ディスクストレージの刷新と新テープライブラリシステムを発表した。
「ストレージシステムの柔軟性を増すことなる」――日本ストレージ・テクノロジーは10月21日、同社の情報ライフサイクル管理(ILM)戦略をさらに一歩推し進めるため、ディスクストレージの刷新と新テープライブラリーシステムを発表した。12日の米国での発表を受けて動き。
オンライン、インライン、ニアライン、アーカイブの4階層に分けてILMストレージシステムを提供する同社だが、このほぼすべての階層で、さらに柔軟性を持たせる狙い。
まず、オンライン、インラインに位置するディスクシステムは、「FlexLine」(右写真)という新ブランドに名称変更し、これまでの「Dシリーズ」および「Bシリーズ」の製品構成を刷新した。
新シリーズのFlexLine 200/300では、コントローラとディスクを分けた構成を採用したのが新しく、従来の大規模向けのD280/B280をコントローラ「FLX280」へ、中規模クラスのD240/D220/B220はコントローラ「FLX240」へ引き継がれることになる。同時に、エントリークラス向けの新製品「FLX210」コントローラも投入した。
ソフトウェアに「SANtricity v9.1」を搭載することで、ファイバチャネル(FC)対応HDDとATA対応HDDを1台のコントローラの下に混在できる。これまでプライマリ、セカンダリと別々のコントローラが必要だった点が解消され、一台のコントローラで用途に合ったディスクアレイを組み合わせ、柔軟なILMを実現できるようになった。
投資の面でも大幅な改善が期待でき、同社によれば、FC HDD4Tバイトをプライマリ、ATA HDD14Tバイトをセカンダリディスクとしてシステムを構築した場合、従来に比べて40%コスト削減できるという。価格は、FLX210などを使った最小構成で350万円(税別)から。
また、テープライブラリでは、19インチラックにテープドライブとスロットを拡張していく、モジュラー型のライブラリーシステム「SL500」(右写真)を発表。中規模市場向けの製品に当たり、30巻から最大577巻までのLTO/SDLTといったテープを混在して利用できる。
用意されているモジュールは、「基本モジュール」「ドライブ拡張モジュール」「カートリッジ拡張モジュール」の3タイプ。基本モジュールはロボット機構を備えており、2ドライブベイ、50LTOカートリッジスロットなどを搭載する。
ドライブ拡張モジュールは、パフォーマンスを重視する用途に向いており、4ドライブベイ、93の追加LTOカートリッジスロットを搭載。カートリッジ拡張モジュールは、ドライブベイを備えておらず、最大132の追加カートリッジスロットを持つなど容量重視のモジュール。
このモジュラー構成により、同社のテープライブラリ「L180」と比較して、設置密度あたりのLTOストッロ密度は2倍以上に向上しているという。また、電源、ファンなどの必要モジュールはすべて冗長化されており、故障時でもノンストップでメンテナンスできる可用性を備えた。
Lシリーズに比べ、初期投資はかさむものの、4Tバイトのデータ容量が年率50%で増加する環境では、現行のLシリーズを利用するより4年間でハードウェアへの総投資額は30%以上削減されるという。
SL500の価格は、最小構成で232万8000円(税別)。11月1日から出荷する。
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