IDC Japan、国内NAS市場の中期予測を発表

IDC Japanによれば、国内NAS市場の中期予測は明るい見通しだ。しかし、ベンダーは、価格帯別の製品戦略とターゲットごとの需要開拓を行っていく必要があるという。

» 2004年10月22日 16時56分 公開
[ITmedia]

 IDC Japanは10月21日、国内NAS市場の中期予測を発表した。

 これによると、2004〜2008年の年間平均成長率(CAGR)は、売上で14.0%、出荷台数で13.2%になる見込みだ。

 2003年の実績は、売上が153億5900万円で前年比5.8%減、出荷台数は6669台で同2.2%減となった。一方、出荷容量は5.7Pバイトで、前年比67.8%増と高い伸びを記録した。

 2003年の国内NAS売上の価格帯別構成比は、ハイエンド(システム価格1000万円以上)が58.4%、ミッドレンジ(同250万円〜1000万円未満)が20.0%、ローエンド(同50万円〜250万円未満)が13.9%、エントリー(同50万円未満)が7.8%で、ハイエンドを除く価格帯の売上は、いずれも前年比プラス成長を達成したにもかかわらず、売上比率の高いハイエンドNASの落ち込みが市場全体に影響した結果となった。

 同社は、2003年のNAS市場の落ち込みは一時的なものであり、2004年はハイエンドを含めた4つの価格帯ともプラス成長を達成すると見込んでいる。その理由としては、国内のIT投資が回復しているのに加え、NASの利用範囲拡大と採用業種の広がりを挙げている。

 ただし、NASに対する需要は価格帯ごとに細分化される傾向が強まっているとし、同社リサーチマネージャーの森山正秋氏は、「NAS市場の裾野が中堅企業にまで広がり、採用する業種も多様化していることに注目すべきである。NASベンダーにとっては価格帯別の製品戦略とターゲット層ごとのキメ細かな需要開拓がこれまで以上に重要になっている」と分析している。

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