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» 2004年10月25日 22時57分 公開

月刊コンピュートピア:RFIDにおける使用帯域の本命は? (1/2)

迫られる周波数の再編成新しい「商売のタネ」として脚光を浴びるRFIDだが、日本は極めて基本的な問題に直面している。使用する周波数帯域をどうするかという問題だ。

[梅田正隆,月刊コンピュートピア]

この記事は月刊コンピュートピア6月号から許可を得て転載しています。

 迫られる周波数の再編成新しい「商売のタネ」として脚光を浴びるRFIDだが、日本は極めて基本的な問題に直面している。使用する周波数帯域をどうするかという問題だ。言うまでもなくRFIDは電波を飛ばすが、電波は各国の法制度によって周波数が割当てられている。モノが国境を越えるとき、国によって使用する周波数帯域が異なるとICタグは使いものにならない。はたして使用帯域はどうなるのか。RFIDの周波数帯域について検討する。

無線技術から生まれたRFID

 RFIDは、コンピュータ技術ではなく無線技術をそのルーツとしている。英国の著名な実験屋であるマイケル・ファラデーが、光と電波は電磁エネルギーの一部であると提案したのは1846年のこと。これがElectromagnetics(電磁気学)の扉を開いた。

 20世紀に入り、1922年には電波を飛ばし反射によって物体の位置を捉えるレーダーが開発された。ロスアラモス科学研究所で行われたマンハッタンプロジェクトの成果のひとつだった。1940年代に入るとRFIDの原型と言えるアイデアが生まれた。

 第二次世界大戦では「IdentificationFriendorFoe」(IFF)と呼ばれる戦闘機の敵味方識別システムが開発されている。戦闘機にトランスポンダー(応答器)を搭載して、レーダーから電波を飛ばせば応答機が味方であると応えが返ってくるシステムだった。1948年にはハリーストックマンが、反射力によるコミュニケーションを提案し、現代のRFIDをイメージしている。

 今日的なRFIDの理論が確立されたのは1960年代に入ってからのことになるが、RFIDは実に60年以上もの歴史を持つ技術であり、21世紀に入ってようやく花を咲かせようとしている。

使用帯域の標準化

 さて、1990年代に入り、RFIDを商用利用するためのテストが本格的に開始されるようになると、電波を利用するRFIDの周波数帯域を標準化する必要が出てきた。標準化といえばISO(国際標準化機構)の出番だ。RFIDについては、ISOはIEC(国際電気標準会議)との共同作業でこの標準化に取り組んでいる。ISO/IECでは使用帯域を「エアインタフェース」と呼ぶ。

 RFIDのエアインタフェースに関する最初のワーキングドラフトとして、2000年12月に13.56MHzと2.45GHzの帯域が、翌2001年3月には135kHz以下の帯域が提出された。国際標準化が進む18000シリーズだ。135kHz以下の長波帯域を使用する18000-2(パート2)は、ドイツの標準化協会であるDINが提案した。タイプAとタイプBのタグがあり、タイプAには日本が提案したアンチコリジョン(衝突防止)方式がオプションとしてAnnexで規定された。

 パート2では、リーダー(正式にはinterrogator:質問機)は両タイプのICタグと通信できなければならない。誘導電磁方式でパッシブICタグ(電池無し)の使用が前提であり、通信距離はタグのアンテナによるものが1メートル以下。長波帯域は主に、船舶や航空機のビーコン(標識)用途だ。

 13.56MHzの中波帯域を使用する18000-3(パート3は、SCM(サプライ・チェーン・マネジメント)での利用を想定している。モード1とモード2があり、両モードには互換性がない。モード2は、リーダーからICタグへのデータレートが423.75kbpsと高速なのが特徴。誘導電磁方式で両モード共にパッシブICタグの使用を前提としており、通信距離は70cm以下。中波帯域の主な用途は、アマチュア無線や船舶通信、Aラジオなどがある。

 2.45GHzのUHF帯域を使用する18000-4(パート4)には、モデル1とモデル2がある。モデル1がパッシブICタグ、モデル2がアクティブ(電池付き)ICタグを前提とする。通信距離はモデル1が1メートル以下、モデル2は10メートル程度となる。2.4MHzの帯域は、いわゆるISM(産業/科学/医療)帯であり、無線LANも使用する。UHF帯域の主な用途は、携帯電話やPHS、タクシー無線、アマチュア無線などさまざまだ。

 以上の3つのパートが提案され、各国でRFIDの活用に向かってさまざまな実証実験が行われた。

米国主導のUHF帯が有力だが

 2002年になると、さらに3つのパートが追加提案された。5.8GHzのマイクロ波を使用するパート5、860-930MHzのUHF帯域を使用するパート6、433MHzのUHF帯域を使用するパート7だ。

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