コラム
» 2004年11月15日 14時48分 公開

商品コードの標準化と日本を考えるOpinion:ITが変革する小売の姿(1/6 ページ)

日本という国は、世界的に見ると、つくづく特殊な国だと思うことが多い。地理的な要素も大きいが、歴史を振り返ると、他国から直接的な影響が非常に少なかったことが要因と考えられる。「グローバル化」の波への対応を考えるときに、こうした背景を認識しておく必要があるのではないか。

[佐藤昭和,花王]

 日本という国は、世界的に見ると、つくづく特殊な国だと思うことが多い。地理的な要素も大きいが、歴史を振り返ると、他国から直接的な影響が非常に少なかったことが要因と考えられる。市場という意味でもそうだ。先進国で消費者がここまで平均化された国はない。だから日本はダメだとか、素晴らしいとか、その良し悪しを論じようというのではない。

日本の勝ちパターンに潜むワナ

 現在、少しずつ確実に近づいている全く別の次元の「グローバル化」の波への対応を考えるときに、こうした背景を認識しておく必要があるのではないか。

 一方で、日本は明治維新から海外との交流を急激に促進し、さまざまな社会システムを取り入れて来た。そして、第二次大戦後、欧米の先進国をキャッチアップすべく、急速に経済発展を遂げた。この間、日本人は基本的に、欧米ですでに存在していたモノや考え方を、国内で醸成しながら国民生活を豊かにしてきたと言っていい。

 その間に、ほかの国が真似できないような高品質な製品を輸出するという手段で、世界第2位の経済大国になった。日本の勝ちパターンは、海外にお手本があって初めて実現するキャッチアップ型だった。

 もちろん、単純に同じレベルに到達しただけでは勝ちパターンにはならない。日本人のさまざまなこだわりや、日本への適合性を加えたことで、国内外で通用するようになってきたわけだ。

 そのお手本の導入では、官が重要な役割を果たし、官民一体となって経済発展を支えてきたと言われる。極論すれば、民はその製品つくりに没頭し、その前提となるさまざまな産業振興に必要な政策は官によってもたらされてきたということだろう。

 官のお膳立ての中で、民はその製品作りと生産ノウハウを磨いてくることができた。以上の見方は今回のテーマにも関連するITの分野では少し事情が違っているように思える。

 現在、われわれがオフィスで使っているIT、そして個人の家で使っているITは、そのコンセプトがほとんど海外、特に米国から来たものだ。すでにキャッチアップが完了したと思われる90年代でも同様だった。

 オープン化も、PCも、そしてインターネットもそうだった。輸出している製品もたくさんあるが、コンセプトや考え方という意味ではほとんど受け入れるばかりだった。海外にあるものが「これででき上がり」という状態になっていないと、なかなかキャッチアップ型は通用しないようだ。

小売業とグローバル化

 小売業との関連はどうだろう。小売業はそもそもローカル産業だと言われる。その国民の生活様式から、どんな製品をどんな風に売るのかは、国ごとに異なる。さらに、日本国内の各地方、各地域を見てもそうだ。「地元密着」で成功している小売業も少なくない。

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