商品コードの標準化と日本を考えるOpinion:ITが変革する小売の姿(3/6 ページ)

» 2004年11月15日 14時48分 公開
[佐藤昭和,花王]

 その前にお断りしておきたいのだが、ここでいう商品コードは、商品カテゴリーとしてはいわゆる消費財製品を主な対象としたものだ。加工食品、飲料、日用雑貨などと呼ばれるカテゴリーである。それが前提であることをご承知頂きたい。

 さて、この「グローバル標準の商品コード」だが、GTIN(Global Trade Item Number)と呼ばれる14ケタのコードである。商品コードというと、日本で思い出されるのは13ケタのバーコード、JANコードと呼ばれるものだ。JANはJapanese Article Numberの略で、国際標準化組織であるEANが定めているコードの日本版だ。EANはEuropean Article Number の略である。

 国際組織でありながら、”European? ”と思うかもしれないが、北米には別の12ケタのバーコードを採用するUPCが存在する。UPCはUniversal Product Codeの略であり、実はこちらの方がお兄さんである。いずれも20年以上も前から徐々に広がってきたコードである。

 ここで小売のPOSレジシステムを思い浮かべられる方なら気がつくと思う。12ケタでバーコードを読み取るようになっている北米のPOSレジシステムでは、当然ながらその商品マスター上のコードは12ケタで管理されている。

 つまり、13ケタのコードは登録できないし、結果として北米以外の13ケタのバーコードは処理が出来ない。仮に13ケタのバーコードをスキャンできてもだ。

 その逆に13ケタのバーコードをベースに作られている日本のPOSレジシステムは、北米の商品を商品マスターに登録可能だ。つまり12ケタのバーコードさえスキャンできれば、対応できることになる。日本だけではない。13ケタのバーコードを使用している北米以外の国すべてでだ。

 こうして見てくると「グローバル標準の商品コードというのは、12ケタと13ケタと2種類あるバーコードの体系を14ケタにすること」と理解されるかもしれない。

 だが、それは違う。バーコードそのものは少なくともしばらくは12ケタと13ケタが並存するだろう。わかりやすくするためにバーコードの話を持ち出したが、この商品コードは企業間を飛び交う商品コードの話なのだ。

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