前述のようにZopeは自前でHTTPサーバ機能を持っている。標準では8080番ポートで起動する。
ここでは、サーバ上で利用するHTTPサーバをZopeで占有するものとして、ポートを80番に変更し、実行ユーザを「zope」に設定する方法を紹介しよう(システムアカウント「zope」は、あらかじめ作成しておく)。
Linuxでは一般的に、HTTPサーバを80番で起動するためにはroot権限が必要だが、Zopeはセキュリティ上の理由からrootのままでは動作しないようになっている。このため、Zopeを80番ポートで動かしたい場合には、以下の設定が必須だ。
$ cd /usr/local/zope/instance/MyZopeSite1 $ ls |
上記の指定でZopeインスタンスの階層に移動してファイル確認をすると、以下のようなものが並んでいることが分かる。
bin - Zopeの起動・終了スクリプトなど
etc - 設定ファイル「zope.conf」
var - データ「Data.fs」など
log - ログ
import - .zexpファイル(Zopeバイナリ)の置き場所
Products - プロダクト(機能拡張プラグイン)の置き場所
Extensions - External Method(外部メソッド)の置き場所
この中のetcにある「zope.conf」がサーバの設定ファイルであり、Apacheと似た設定記述フォーマットになっている。このファイルをエディタで読み込み、次の2個所を編集する(行の「#」以降内容はコメント)。
〜ファイル上、4分の1程度の個所〜 # Directive: effective-user 〜中略〜 # Example: # effective-user chrism effective-user zope # <- 追加 〜ファイル上、最も最後の個所辺り〜 # Directives: servers 〜中略〜 # Default: # # An HTTP server starts on port 8080, an FTP server starts on port # 8021. <http-server> # valid keys are "address" and "force-connection-close" #address 8080 # <- コメントアウト address 80 # <- 追加 # force-connection-close on </http-server> <ftp-server> # valid key is "address" #address 8021 # <- コメントアウト address 21 # <- 追加 </ftp-server> |
なおZopeにはFTPサーバ機能も用意されている。ここではそのポート番号も8021から21に変更した。FTPサーバを立てたくない場合には、次のようにコメントアウトしておけばよい。
#<ftp-server> # # valid key is "address" # address 8021 #</ftp-server> |
上記の設定で、rootでZopeを起動すると、80番ポートでサーバが起動し、実行ユーザが「zope」に切り替わる。
この場合、「zope」アカウントでデータとログの書き込みができる必要があるため、Zopeインスタンスの「var」と「log」のownerを「zope」に変更しておこう。
$ cd /usr/local/zope/instance/MyZopeSite1 $ su # chown zope:zope var # chown zope:zope log |
以上が、Linux環境でZopeを80番ポートで起動するための設定だ。8080などの非特権ポートでよければ、rootではないアカウントのhome領域などにZopeインスタンスを作成し、そのアカウントのまま起動することも可能である。
Zopeサーバソフトの起動方法は次のようになる。
$ cd /usr/local/zope/instance/MyZopeSite1/bin/ $ ./zopectl start |
Apacheなど、ほかのサービスが80番ポートで動作している場合には、事前に停止しておく必要がある。上記の指定直後に次のメッセージが表示されればOKだ。
. . daemon process started, pid=12345 |
また、Zopeサーバソフトを終了するためには、次のように指定すればよい。ここでは終了しないで解説を続けている。
$ ./zopectl stop |
あるいは、次のように起動することも可能だ。
$ ./runzope |
この場合、起動時の詳しいメッセージが表示される。起動に失敗してしまう場合は、ここで表示されるエラーメッセージが解決のヒントになる。この起動方法の場合、Ctrl+Cキーなどで終了すればよい。
次ページでは、いよいよCMSの核となる管理画面へのアクセス方法と、主要画面の機能解説だ。
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