Zope 2dev blog/CMS インストールガイド(2/3 ページ)

» 2004年12月17日 12時40分 公開
[桜井通開,ITmedia]

Zopeサーバの設定

 前述のようにZopeは自前でHTTPサーバ機能を持っている。標準では8080番ポートで起動する。

 ここでは、サーバ上で利用するHTTPサーバをZopeで占有するものとして、ポートを80番に変更し、実行ユーザを「zope」に設定する方法を紹介しよう(システムアカウント「zope」は、あらかじめ作成しておく)。

 Linuxでは一般的に、HTTPサーバを80番で起動するためにはroot権限が必要だが、Zopeはセキュリティ上の理由からrootのままでは動作しないようになっている。このため、Zopeを80番ポートで動かしたい場合には、以下の設定が必須だ。

$ cd /usr/local/zope/instance/MyZopeSite1
$ ls

 上記の指定でZopeインスタンスの階層に移動してファイル確認をすると、以下のようなものが並んでいることが分かる。

bin - Zopeの起動・終了スクリプトなど

etc - 設定ファイル「zope.conf」

var - データ「Data.fs」など

log - ログ

import - .zexpファイル(Zopeバイナリ)の置き場所

Products - プロダクト(機能拡張プラグイン)の置き場所

Extensions - External Method(外部メソッド)の置き場所

 この中のetcにある「zope.conf」がサーバの設定ファイルであり、Apacheと似た設定記述フォーマットになっている。このファイルをエディタで読み込み、次の2個所を編集する(行の「#」以降内容はコメント)。

〜ファイル上、4分の1程度の個所〜

# Directive: effective-user

〜中略〜

# Example:
# effective-user chrism
effective-user zope # <- 追加

〜ファイル上、最も最後の個所辺り〜

# Directives: servers

〜中略〜

# Default:
#
# An HTTP server starts on port 8080, an FTP server starts on port
# 8021.

<http-server>
# valid keys are "address" and "force-connection-close"
#address 8080 # <- コメントアウト
address 80 # <- 追加
# force-connection-close on
</http-server>

<ftp-server>
# valid key is "address"
#address 8021 # <- コメントアウト
address 21 # <- 追加
</ftp-server>

 なおZopeにはFTPサーバ機能も用意されている。ここではそのポート番号も8021から21に変更した。FTPサーバを立てたくない場合には、次のようにコメントアウトしておけばよい。

#<ftp-server>
# # valid key is "address"
# address 8021
#</ftp-server>

パーミッションの設定

 上記の設定で、rootでZopeを起動すると、80番ポートでサーバが起動し、実行ユーザが「zope」に切り替わる。

 この場合、「zope」アカウントでデータとログの書き込みができる必要があるため、Zopeインスタンスの「var」と「log」のownerを「zope」に変更しておこう。

$ cd /usr/local/zope/instance/MyZopeSite1
$ su
# chown zope:zope var
# chown zope:zope log

 以上が、Linux環境でZopeを80番ポートで起動するための設定だ。8080などの非特権ポートでよければ、rootではないアカウントのhome領域などにZopeインスタンスを作成し、そのアカウントのまま起動することも可能である。

Zopeサーバの起動

 Zopeサーバソフトの起動方法は次のようになる。

$ cd /usr/local/zope/instance/MyZopeSite1/bin/
$ ./zopectl start

 Apacheなど、ほかのサービスが80番ポートで動作している場合には、事前に停止しておく必要がある。上記の指定直後に次のメッセージが表示されればOKだ。

. . daemon process started, pid=12345

 また、Zopeサーバソフトを終了するためには、次のように指定すればよい。ここでは終了しないで解説を続けている。

$ ./zopectl stop

 あるいは、次のように起動することも可能だ。

$ ./runzope

 この場合、起動時の詳しいメッセージが表示される。起動に失敗してしまう場合は、ここで表示されるエラーメッセージが解決のヒントになる。この起動方法の場合、Ctrl+Cキーなどで終了すればよい。

 次ページでは、いよいよCMSの核となる管理画面へのアクセス方法と、主要画面の機能解説だ。

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