StrutsとJSFは共存、統合どちらへ(1/8 ページ)

フレームワークのStrutsとJSFは目的が似ている。しかし、JSFは後発ながらJCPのJava標準規格として登場した。新たなテクノロジーは、完全に補完する役目を担うのか? コードベースで徹底比較していく。

» 2005年01月19日 09時15分 公開
[阿島哲夫(カサレアル),ITmedia]

 2003年、Sun Microsystemsから次世代Webアプリケーションフレームワークとして「JSF」(Java Server Faces)が発表された(関連特集記事)。

 Webアプリケーションフレームワークといえば、オープンソースであるApache Software Foundationの「Struts」があまりにも有名であり、既にデファクトスタンダードと呼べる地位を築いている。しかし、StrutsもJSFもJavaテクノロジーによるWebアプリケーションフレームワークであり、サポートする領域は似ている。なぜ、今JSFが必要なのか? StrutsとJSFを比較しながら最新事情を探ってみよう。

見 出 し 一 覧
1. Strutsとは何か?
2. JSFとは何か?
3. JSFの特徴
4. JSFはJava標準仕様である
5. JSFは仕様と実装が分離されている
6. Controller重視のStruts
7. UI(View)重視のJSF
8. IDE(統合開発環境)との高い親和性
9. JSFアプリケーションの実装ではServlet APIを使わない
10. アプリケーションの作成
11. サンプルアプリケーションの実行
12. Strutsアプリケーションの処理の流れ
13. JSFアプリケーションの処理の流れ
14. Strutsアプリケーションの作成
15. Struts|ActionFormの作成
16. Struts|Actionクラスの作成
17. Struts|画面の作成
18. Struts|画面遷移の設定
19. Struts|メッセージリソースファイルの作成
20. Struts|入力値の検証
21. JSFアプリケーションの作成
22. JSF|BackingBeanの作成
23. JSF|ビジネスロジックの呼び出し
24. JSF|画面の作成
25. JSF|画面遷移の設定
26. JSF|メッセージリソースファイルの作成
27. JSF|入力値の検証
28. StrutsとJSFは併用、統合していくのか?
29. 現在見えているStrutsとJSFの現状とこれから

Strutsとは何か?

 StrutsはServlet、JSP、JavaBeansといったJ2EEテクノロジによる、MVCアーキテクチャを採用したWebアプリケーションフレームワークである。

 StrutsはCraig R McClanahan氏によって最初に開発され、2000年5月にApache Software Foundationに寄贈された。当初は、Jakartaプロジェクトで開発、メンテナンスが進められていたが、2004年3月にはApache Software Foundationのトップレベルプロジェクトに昇格、現在は「Apache Strutsプロジェクト」として開発、メンテナンスが行われている。2004年12月現在の最新バージョンは1.2.4だ(公式サイト関連リンク)。

JSFとは何か?

 JSF(Java Server Faces)もまた、J2EEテクノロジによるMVCアーキテクチャのWebアプリケーションフレームワークである。

 2003年6月にSun Microsystemsによって発表され、2004年3月にバージョン1.0がリリースされた。2004年12月現在の最新バージョンは1.1.01である。JSF仕様のSpec lead(仕様取りまとめ役)は、Strutsの生みの親でもあるCraig R McClanahan氏だ(公式サイト関連リンク)。

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