Lotusphere 2005で第3四半期の出荷が明らかにされたNotes/Domino 7.0は、性能と管理性をさらに改善したほか、次世代のリッチクライアント環境であるIBM Workplace Client Technologyにも一部対応する。
IBMは米国時間1月24日、フロリダ州オーランドで開幕したLotusphere 2005カンファレンスで、Notes/Domino 7.0を第3四半期にリリースすることを明らかにした。NotesBenchを指標とすると70〜80%、とりわけLinuxでは300%という性能の改善が図られているほか、Domino Domain Monitoringと呼ばれる新しい管理ツールが追加され、Dominoサーバの集約と運用管理の簡素化という、IBM Lotusが一貫して力を注いで開発を続けてきた成果が見られる。
また当初は、バージョン8.0において次世代のリッチクライアント環境である「IBM Workplace Client Technology」に対応するとしていたが、とりあえず7.0でもPCにインストールしたNotesクライアントをEclipse上で動作させるプラグインを用意し、いち早く新しい環境を導入したいユーザーの声にもこたえた格好だ。
2004年のLotusphereでベールを脱いだIBM Workplace Client Technologyは、オープンソースの統合開発環境として知られるEclipseをベースとし、IBMがさまざまな拡張を図ったサーバ管理型のクライアント環境。小型のアプリケーションサーバやデータベースを搭載、JavaのWebアプリケーションをオフライン時にもオンライン時と同様に利用できるレプリケーション機能も備えている。Javaで書かれたアプリケーションは、サーバからダウンロードされ、クライアント環境にプラグインされて動作する。Tivoliのエージェントも組み込まれ、集中管理によりアプリケーションの修正や更新も容易となる。Fatクライアントの使い勝手の良さとThinクライアントの高い管理性を併せ持つ、新しいリッチクライアント環境だ。
2006年半ばの7.xではNotesクライアントのモジュール化およびJava化が進み、本来のマネージドクライアント機能(Notesクライアントの必要な機能だけをダウンロードさせ、サーバ側で管理できる機能)が提供される。さらに1年後の8.0では標準技術との統合の度合いが深まるほか、IBM Workplace Client Technologyに組み込まれる簡易版オフィススイートなどとも連携できるようになるのがIBMが描くロードマップだ。なお、7.xではLinuxクライアントやMacクライアントでの動作もサポートされるという。
オープニングのジェネラルセッションでは、新しいDomino Designerを使ってDominoのアプリケーションを簡単にWebサービス化するデモも行われた。
Notes/Dominoの開発と技術サポートを担当するマイク・ローディン副社長は、「既存のスキルや資産を保護するのにとどまらず、アプリケーションのリーチや価値を拡大するのがNotes/Domino 7.0の狙いだ」と話す。
これまでLotus Workplace製品群と呼ばれてきたLotus Workplace MessagingやLotus Workplace Team Collaborationなどにもセットとしての新しい製品名「IBM Workplace Collaboration Services」が与えられた。
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