個人情報保護法は、公開されている情報と公開されていない情報について、取得や利用に関する規制を区別していません。したがって、公開されている個人情報を取得した場合にも、あらかじめ「利用目的」を公表しているのでなければ、その「利用目的」を速やかに本人に伝えるか、公表しなければなりません(法18条1項)。
「利用目的」については、できる限り特定し(法15条)、その特定した利用目的の達成に必要な範囲で個人情報を利用しなければならなりません(法16条1項)。データベースを作成したら十分な安全管理措置を講じなければならないこと(法20条)などの要求事項についても、公開されている情報か否かによって区別されません。
裁判例の中には、ある眼科医の氏名、診療所の連絡先といった眼科医自身が積極的に公開している個人情報を、無断でインターネット上の掲示板に掲載することは民法の不法行為に該当するとして、損害賠償を認めたものがあります(神戸地裁1999年6月23日判決)。公開されている情報であるからといって、どのように利用してもよいわけではないことを端的に示す裁判例といえます。
古本晴英プロフィール
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