第5回 個人情報保護を確実にする社内教育企業がとるべき、個人情報保護対策(3/3 ページ)

» 2005年02月23日 08時00分 公開
[佐藤隆,ITmedia]
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 個人情報の保護に関する社内教育は、座学(学習者が集まり、講義を受ける学習方式)が主流になっている。講師が分かりやすく解説するので、個人情報保護法、条例を理解するには適した方式である。逆に、個人情報を取り扱う業務手順の習得、具体的なシステムの操作は学習者によって手順、操作が異なるので、仕事を通して学習するOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)の方が適している。通常の社内教育では、座学とOJTを組み合わせるが、社内ネットワークが整備されていれば、業務を中断せずに学習できる「eラーニング」を導入する方法がある。

 eラーニングには、教材を記録媒体(フロッピー、CD-ROM)で学習していくCBT(Computer Based Training)、Webを使って学習していくWBT(Web Based Training)という方法がある。eラーニングでは、学習者が都合のよい時間に1人で繰り返して学習できること、研修会場に移動しなくて済む利点がある。教育する側では、教材を更新しやすく、学習者別に成績を管理できるメリットがある。インターネットに接続できれば、eラーニングを提供しているASP(アプリケーション・サービス・プロバイダー)を利用して学習することもできる。法律、条約、社内規定なら社内グループウエアに置いて共有することも可能であり、eラーニングで理解度を評価させれば、個人情報の管理状況を把握できるので、検討してみる価値はある。

表4 さまざまな教育方法
教育方法説明個人情報保護に関する教育上のメリット
座学 集合して机上で学習する方式専門家がわかりやすく説明してくれる(法律、条令など)
個人情報監査の模擬演習が行える(ロールプレイングを含む)
OJT
(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)
仕事を通して学習する方式 個別業務における手順の習得
実機(システム)を通しての学習
CBT 教育システムを使った方式成績に対する管理が容易
リモート学習によって、学習の為の移動コストの削減
WBT

個人情報の保護をeラーニングで学習できるサービス
富士通ラーニングメディア
BISCUE eラーニング

 次回は、個人情報保護の実施を対外的にアピールできる認証制度について解説する。

佐藤隆プロフィール

セキュリティコンサルタント。セキュリティ監査、ペネトレーションテスト、情報セキュリティ教育などの情報セキュリティ業務に従事し、大学では非常勤講師を務める。BS7799オーディター、ISMS審査員資格を所有している。

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