Red Hatに関するSunの見解についてNovellとMandrakeに聞く(3/3 ページ)

» 2005年03月07日 15時45分 公開
[Jem-Matzan,japan.linux.com]
SourceForge.JP Magazine
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Francois Bancilhon Mandrakesoftが開発するMandrakelinuxは、プロフェッショナルが開発したソフトウェアと100%フリーのソフトウェアの両方から構成されたLinuxディストリビューションです。Mandrakelinuxの1日の平均ダウンロード数は10,000件です。文字どおり数十万単位の人々が、Mandrakelinuxの使いやすさのおかげでLinuxに切り替えることができたのです。これは著しい貢献と言えないでしょうか。

 それを別にしても、MandrakesoftはたくさんのコードをKDE、GNOME、KOffice、CUPSを筆頭とする多くのアプリケーションに寄贈しました。

Charlie Ungashick Novellは、Linuxとオープンソースを専門とする膨大な数のソフトウェアエンジニア、サポートスタッフ、コンサルタントを抱えています。SUSE LinuxとXimianを獲得した結果、Novellはこの業界で最も才能に恵まれたオープンソース・エンジニアの一部を得ました。

 また、Novellの従業員は、主要なオープンソース・プロジェクト――例えばLinuxカーネル、Reiserファイルシステム、YaST、Mono、GNOMEデスクトップとKDEデスクトップ、Evolution、Mozilla、OpenOffice.orgなどに多大な貢献をしています。

NewsForge Mandrakesoftの次バージョンのCorporate Serverエディションでは、システム管理者に何が提供されますか?

Francois Bancilhon この新しいバージョンには、Mandrakesoftが企業ITの世界で学んだ経験が反映されました。顧客の意見に真摯に耳を傾けるよう努力したのです。そのおかげで、Corporate Serverには安定したユーザーフレンドリな管理ツールが用意されています。ApacheからLDAPまでの、あらゆる種類のサーバのセットアップを支援する設定ウィザードがあります。また、Corporate Serverには自動アップデートなどの卓越したパッケージ管理機能があります。これらは革命的な響きを持つものではないでしょうが、管理者の作業を本当に楽にする機能です。

 それに加えて、Linuxのいつもの長所である安定性、セキュリティ、コストも当然ながらあります。

NewsForge 自社や製品について、特にフリーソフトウェアの世界、エンタープライズ環境、オペレーティングシステム市場における自社の地位に関連することで、読者に伝えたいことはありますか?

Francois Bancilhon 弊社は最近発表した業績に満足しています。売上が33%増の520万ユーロ、総利益は45%増えて純益は140万ユーロに達しました。健全で伸び盛りの企業である証拠です。

 しかし、Linux市場はまだ黎明期でしかない、そう私たちはまじめに信じています。市場が早期採用の時期から大衆市場へと脱皮する転換点に私たちは立ち会っているのです。ユーザー、顧客、将来の顧客層との接触を通じて、この変化の兆候を毎日目にします。

Charlie Ungashick 苦労して、従来のチームをXimianとSUSE Linuxに統合しました。成功への道を進んでいると確信しています。それは、SUSE Linux Enterprise Server 9やNovell Linux Desktop 9などの新製品によく現れています。2005年以降は、さらに多くの素晴らしい製品に取り組んでいきます。

 フリーソフトウェアの世界について言えば、これからもオープンソースを促進し、その前進に貢献したいと思っています。そのために、オープンソース・プロジェクトに取り組むエンジニアの数を増やしているところです。また、昨年はUDDIサーバ、EvolutionおよびYaST向けのMicrosoft Exchange Connector、NovellのLinux向けシステム管理フレームワークなどの主要テクノロジをオープンソース化しました。最近も新しい特許ポリシーを公開したばかりです。これは、弊社オープンソース製品の知的所有権に対する潜在的な攻撃から弊社の特許ポートフォリオを保護するために有効なイニシアチブです。

 エンタープライズについては、Novellは本物の選択肢を提供します。IT購入者は、Linuxで利用するセキュリティ、システム管理、共同作業、ネットワーキングの各システムを選択できます。これらの分野の一部で弊社は競争力を持ちますが、なおもサードパーティ・ソリューションとの互換性を保証するために精力的に作業しています。社内開発者のために、言語、ツール、ミドルウェアを複数から選択できるように提供しています。Novell Open Enterprise Serverの次期リリースに含まれる付加価値ネットワーキング・サービスは、ファイル、印刷、リポータアクセス、ディレクトリの各サービスをLinux 分散ネットワーク上に展開するITプロフェッショナルの業務をこれ以上ないほど簡単にします。

 Novellは、Linux市場のトップシェアを握っていないことに満足しません。弊社が既に強力な地盤を持ち、これからLinuxの普及が見込まれる各国のIHVパートナーおよび地元のコネクションと精力的に協力していくことが目標です。

Jem Matzanは、3冊の書籍の著者であり、The Jem Reportの編集長であり、OSTGの編集貢献者(contributing editor)である。

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