Red Hatに関するSunの見解についてNovellとMandrakeに聞く(2/3 ページ)

» 2005年03月07日 15時45分 公開
[Jem-Matzan,japan.linux.com]
SourceForge.JP Magazine

Francois Bancilhon コストについては、対抗できる自信があります。Solaris 10には、紙の上では、確かにたくさんの魅力的な機能があります。しかし、以下の機能はあるでしょうか?

  • 容易なインストール、設定、保守
  • 高度なパッケージ管理
  • そのままで利用できる自動アップデート
  • 幅広いハードウェアのサポート 

 弊社には、Sunが提供していないクラスタ化とセキュリティに特化した製品もあります。しかし、Solaris 10が最も宣伝に力を入れているのがLinuxとの互換性だという紛れもない事実は、Linuxがそこまでの存在になったことをまざまざと示していますね。

Charlie Ungashick Solarisは機能豊富なオペレーティングシステムです。現在のLinuxもそうです。特に2.6 Linuxカーネルでは大きな強化が加えられました。しかし、速度とコストを基準にして両者を比較すると、もっと重要な要素、つまり業界での採用という要素が抜け落ちてしまいます。現在Linuxは最も著しい速さで成長しているサーバオペレーティングシステムであり、Unixは下り坂です。この頃の革新的な活動はたいていLinuxの周辺で行われていて、IBM、HP、Novell、Red Hatなどの大手ベンダがこぞってそれに貢献しています。また、大手ソフトウェアベンダは自社アプリケーションをLinuxに移植しています。

 Novell/SUSE LinuxがSolaris x86より有利なのは(Solaris/SPARCと比較するなら有利性はいっそう大きいのですが)、Solarisを使うユーザーがSunに縛り付けられることです。Solaris x86でさえ、ハードウェアの選択肢はわずかしかありません。Itanium 2やPOWERのアーキテクチャでは動作しないのです。今のところ、AMD OpteronとIntel 32ビットプロセッサでしか動きません。SunはEM64Tで動作するようになると言いますが、Intelの新しい64ビットXeonアーキテクチャを搭載したサーバはSunにありません。ですから、ユーザーはここでもSunに縛り付けられます。たいていのCIOやITマネージャーが避けようとする状況ですね。

 HPやIBMなどの大手ベンダは、Unixテクノロジ(仮想化、パーティション化など)をLinuxに実装する作業を速めています。これから4〜5年のうちにLinuxは、機能、セキュリティ、スケーラビリティなどの点でRISC/Unixと肩を並べるでしょう。

 SunはSolarisのオープンソース化を2000年から公言してきました。オープンソースSolarisについての議論はこれが三度目です。SunがSolaris 10全体をオープンソース化できるかはかなり疑問ですね。Solaris 10のすべてのコードをSunが所有しているわけではありません。オープンソース化する権利をSCOだけでなく複数のサードパーティベンダから取得しなければなりません。もしSolaris 10全体がオープンソース化されたら、そのコードはLinuxに組み込んでもかまわないことになります。オープンソースSolarisに移行する際に、Sunは議論の分かれる制約を貸すでしょう。可能性として一番大きいのは、Sunが新しいオープンソースライセンスを作成する必要に迫られることです。そのライセンスはGPLよりずっと制約が厳しく、Linuxへのコードの移動を禁じるものとなるでしょう。

 SunがSolarisのオープンソース化に踏み切るのは私たちの観点からは正しい方向への一歩ですが、Solarisの周辺にLinuxと同等の開発者の生態系を早期に形成できるかは疑問です。また、Linuxは幅広いハードウェアシステムで動作が保証されますが、Solarisは違います。考慮すべきことはまだあります。IT購入者は数年を費やしてSolarisからLinuxへ移行するよう経営陣を説得しました。こういった人たちがSolarisに戻るでしょうか。

NewsForge Solaris 10は御社の顧客ベースを脅かすとお考えですか?

Francois Bancilhon 最新のトレンドを見ると、明らかなことは2つです。1つはLinux市場の成長の大部分が、Unix全般と特にSolarisを犠牲にして達成されていること。もう1つは弊社の顧客と将来の顧客層の多くが、現在のSolarisユーザーであることです。したがって、実際にはMandrakelinux Corporate ServerこそがSolarisインストールベースへの脅威であると思いますね。

Charlie Ungashick SunがNovellのNetWareやLinuxのインストールベースに与える脅威はたいしたものではありません。プロプライエタリなオペレーティングシステムに戻るLinuxユーザーはごく少数でしょう。NovellのNetWareインストールベースが動いたとしても、移行先はLinuxかWindowsです。一方で、Solaris x86はNovell/SUSEと新しい顧客を奪い合っています。Red HatのMatthew Szulikが最近言いましたよ。Sunは今や最も勢いのある競争相手だと。しかも、Solarisは岩のように堅固なアプリケーション・プラットフォームとして有名です。NetWareは、ファイル、印刷、ユーザー情報、ミドルウェアを含むネットワーキング・インフラストラクチャの分野で常に他を圧倒してきました。これらのNovellネットワーキング・サービスは今ではLinux上で利用できるようになり、Linuxから提供されるアプリケーション機能と併用することで、弊社の顧客は勝者と勝者の組み合わせを手に入れることができます。Sunにはこんな真似はできません。

NewsForge 御社はフリーソフトウェア・コミュニティにどう貢献しましたか?

Copyright © 2010 OSDN Corporation, All Rights Reserved.

注目のテーマ