映画フィルムをRFIDで管理する実証実験

» 2005年03月14日 20時49分 公開
[ITmedia]

 廣済堂と極東貿易、松下電器産業パナソニックシステムソリューションズは3月14日、映画フィルムの管理にRFIDを活用する実証実験を、東京国立近代美術館フィルムセンター(東京都中央区)とフィルムセンター相模原分館(神奈川県相模原市)間で行ったと発表した。

 両館のフィルムのやりとりを効率化しするため、フィルムを格納する缶にRFIDタグを添付した。フィルム缶はスチールやアルミといった金属製。運搬用の台車も金属製なため、通常のタグは電波が遮断されて通信できない。今回、缶の表面に電波を吸収する素材を添付し、その上からタグを貼ることで、スムーズな読み取り・書き込みを可能にした。

 タグは幅25ミリと狭いスペースに添付するため、小型で大容量な日本テキサス・インスツルメンツ製「TI-RFiD」のミニチュアタイプを採用した。

 紙の台帳などを使っていた従来と違い、ペーパーレスでフィルム管理可能。在庫チェックを迅速化できる。Bluetooth通信機能を搭載したRFID読み取り機器を使えば、両館共通のデータベースに倉庫内から接続できるため、在庫情報をリアルタイムに更新したり、各種情報を検索できる。

 廣済堂が実験を企画。タグ用ラベルの加工も行った。松下はRFID読取装置を提供した。極東貿易は「TI-RFiD」の販売代理店。

 今後は、タグの耐久性やコスト面などの問題点を洗い出し、実用化に向けて改善していく計画だ。

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