ソルトレイクでBrainShareが開幕した。オープニングに登場したメスマン会長は、Linuxとアイデンティティーのフォーカスする戦略を明確に打ち出した。基盤を整備すべく、JBossとの提携強化も明らかにした。
広大な湖と雪山に抱かれた小さな街、ソルトレイク・シティーが6000人のITプロフェッショナルやデベロッパーらでごった返している。
米国時間3月21日朝、ユタ州ソルトレイク・シティーでNovellのユーザーカンファレンス「BrainShare 2005」が本格開幕した。Novell最大の拠点があるプロボにも近く、いわばお膝元での開催だ。
2003年にXimianとSUSEを買収、大きくLinuxに舵を切ったNovellは、その新しい事業が好調に推移し、昨年10月末に締めた2004会計年度は黒字転換を果たしている。昨年末、IDCが明らかにした市場予測によると、Linux市場は全体で年間25.9%成長し、2008年には357億ドルに達する見込み。
追い風を受けたNovellのジャック・メスマン会長兼CEOは、2月にボストンで行われたLinuxWorldで「頑なに拒んでいる一部のユーザーらに働きかけ、移行を促そう」と聴衆をアジっている。
この日、BrainShare 2005のオープニングに登場したメスマン氏は、メインストリームへと快進撃を続ける「Linux」と同社の強みである「アイデンティティーマネジメント」という2つの領域にフォーカスする戦略を明確に打ち出した。
「CIOの優先事項は、運用の簡素化、スタッフ生産性の最大化、コストの抑制、そしてアジリティの向上だ。これらを実現するには、先ずLinuxによってITを簡素化し、そして“アイデンティティー・ドリブン・コンピューティング”を採用すべきだ」とメスマン氏。
Novellはデスクトップからデータセンターに至るまで、ほぼすべてのソリューションの基盤をLinuxで標準化している。先ごろ出荷が始まった「Novell Open Enterprise Server」がその良い例だ。Open Enterprise Serverは、Novellが20年以上も培ってきた各種のネットワークサービスをNetWareおよびLinuxという2つのコアの上で提供するもの。Linuxユーザーに豊富なネットワークサービスを提供する一方、NetWareユーザーには好きなタイミングでLinux環境に移行できる戦略的なパッケージとなっている。
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