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» 2005年04月07日 20時48分 公開

起業家精神と敵対的買収の関係は?――SybaseのチェンCEO (1/2)

Sybaseのジョン・チェンCEOに、市場の展望と今後の戦略について話を聞いた。

[聞き手:怒賀新也,ITmedia]

 OracleによるPeopleSoft買収やSymantecによるVeritas買収、さらに、最近では、小売業界向け業務アプリケーションベンダーであるRetekをめぐるOracleとSAPの激しい争奪戦が繰り広げられるなど、エンタープライズアプリケーション業界に押し寄せる再編の波が収まらない。こうした市場環境について、同じ業界のSybaseはどのように考えているか。来日したジョン・チェンCEOに、市場の展望と今後の戦略について話を聞いた。

日本市場を重視するとしながら、IT投資の伸び悩みを懸念するジョン・チェンCEO。

M&Aと米国の起業家精神

ITmedia 最近のビジネスの状況を教えてください。

チェン 予想を上回る利益率、成長率を維持しています。昨年後半からの勢いが続いており、今後にも期待しています。

ITmedia Oracleや、SymantecによるVeritas買収など、エンタープライズアプリケーション業界に再編の波が押し寄せています。これについてどう考えていますか?

チェン 市場が成熟していく中で、M&Aの動きは避けられないトレンドです。特に、2004年は、ソフトウェアビジネス全体が回復基調であったため、2005年についてアナリストの多くは、株価上昇、業績アップを予想していました。しかし、IT業界全体で成長率が1ケタの前半であることを考えると、利益率アップに関しては難しいと言わざるを得ない。その結果として、企業の取締役会は、「無機的成長」であることも多いとはいえ、M&Aによる成長に踏み切ろうとするわけです。

 また、企業として生き残る道は、あらゆる機能を提供するフルライン戦略か、一部の製品に特化する戦略のどちらかしかありません。そのため、フルラインを目指す企業は、足りない機能を補強するために、買収して他社の製品を獲得しようとするわけです。

 しかし、 合併統合の動きがこれからどんなるかと言えば、マクロ経済における米国の状態や、ドルの強さ、石油価格の動向に依存しながらも、私は弱まっていくと考えています。IT分野の成長の中心は、これまで成長してこなかった国で起こると考えます。M&Aはそうした国でより活発に行われるでしょう。

ITmedia 最近、(ライブドアによるニッポン放送株取得およびフジテレビとの騒動に関して)日本では敵対的買収の騒ぎが起きています。米国では過去当たり前に行われてきたことだと思います、敵対的買収に対する米国経営者の感覚というのはどんなものでしょうか?

チェン ハード、ソフト、コンサルティングを含めて、IT企業のほとんどは起業家精神の高い人が創めたという起源があります。そして、彼らは、「何かが起こるかもしれない」ことへの知覚を遺伝子(DNA)として持っています。さらに言えば、常に変化を期待するという文化が根付いているわけです。それを考えると、敵対的買収も米国のたいていの経営者にとっては、起こりうる可能性として意識に織り込まれているかもしれません。

ITmedia テクノロジーについて、技術のオープン化という流れがあります。そうした流れの中で、Sybaseの技術戦略をどのように展開していくでしょうか?

チェン 2つあります。1つは、オープンソースへの取り組みです。企業は今後、オープンソースと、従来のソフトウェア開発手法の両方に対応できなくてはいけないと考えています。なぜなら、どちらにもメリットとデメリットがあるからです。

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