起業家精神と敵対的買収の関係は?――SybaseのチェンCEO(2/2 ページ)

» 2005年04月07日 20時48分 公開
[聞き手:怒賀新也,ITmedia]
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 たとえば、オープンソースならば、コミュニティのサポートを受けられ、また、コスト面でも優れています。しかし、ミッションクリティカル環境で運用できるかというと、サポートなど、かなり多くの問題があります。Linuxを活用しているSybaseの多くの顧客企業からも、サポートしてほしいという声が上がってきています。

 1つとして、過去にコンピューティングの世界に新しい波が訪れたときのことを考えるという方法があります。たとえば、かつて、メインフレームが主流だった時代に、UNIXベースのクライアント/サーバという選択肢が登場しました。当時も、クライアント/サーバに対する賛否両論がありましたが、落ち着いた後は、システム基盤の選択肢として、次第に有力な存在になっていき、現在でもメインフレームとクライアント/サーバは共存しています。

 それと同じことが、現在オープンソースの世界にも起きているのではないでしょうか。逆に言えば、従来のシステムとオープンソースのどちらかに突っ走っていくことは危険です。先日SybaseはEclipseに参加することを表明しました。われわれは、ツールを提供する見返りとして、オープンソースを受け取ることができます。今日のコンピューティングモデルと、オープンソースモデルをはじめ、これからのモデルを両方見た上で、何が一番いいかを熟慮していく考えです。

ITmedia そうした市場環境の中で、Sybaseとしてはどのような戦略を展開しますか?

チェン Sybaseの戦略は、Unwired(関連記事)でこの3年間変わっていません。Unwiredは、LiquidityとMobilityの2つのキーワードにわけられ、われわれは両方に対していい製品を持っており、ユーザー企業も着々と増やしています。

ITmedia 現在、企業にIT投資を促すとすればどのような要因がありますか?

チェン コンプライアンスの観点が1つとして挙げられます。米国企業改革法 (Sarbanes-Oxley Act) により、企業はさまざまなデータをしっかりと管理、レポートしなくてはならなくなりました。そのためのIT投資は必要でしょう。また、米テロ対策法(愛国者法)でも同じように、マネーロンダリングの防止などの対策を練らなくてはなりません。

 また、業種別の取り組みでは、ヘルスケア業界の「医療保険の携行性と責任に関する法律(HIPAA)」への対応などが挙げられます。

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