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» 2004年10月06日 14時43分 公開

「技術のサイベース」が新製品群で実現を目指すUnwired Enterprise

サイベースは、9月27日に発表したリレーショナルデータベース「Adaptive Server Enterprise 12.5.2日本語版」や、「Sybase Data Services Platform」などの新製品について説明する記者向けのブリーフィングを開催した

[怒賀新也,ITmedia]

 サイベースは10月4日、同社が9月27日に発表したリレーショナルデータベース「Adaptive Server Enterprise 12.5.2日本語版」(ASE12.5.2)や、「Sybase Data Services Platform」などの新製品について説明する記者向けのブリーフィングを開催した。ASE12.5.2は、サイベースが2003年の秋から提唱している「Unwired Enterprise」のフラグシップになるとしている。同社は「技術のサイベース」を強調、基本通り、これまでの成長を支えたテクノロジーで今後も勝負していく考えだ。

 マーケティング&ビジネスアライアンス本部の麻生洋氏は、「Unwired Enterpriseは、ユーザーが場所や時間の制約を越えて、社内外の情報を自由に活用できる環境を提供すること」と話す。生産、販売、人事、電子メールなど、リレーショナルデータベース(RDBMS)に持つさまざまな情報に対して、1つの統合的なモバイルミドルウェアを介することで、ユーザーがノートPCやPDA、携帯電話からアクセスできる環境の構築を同戦略は目指す。

 ASE12.5.2は同戦略の核になるRDBMS。設計をする上で、「より多くのデータをより少ないリソースで管理する」ことがポイントになった。

 新機能の特徴は、運用スケーラビリティの改善によって、人の介在を抑え、手のかからないデータベースの構築をサポートすること。例えば、ジョブスケジューラでは、インデックス管理やバックアップ、昼夜での運用モードの切り替えなどを、テンプレートとGUIで自動化できるようになった。

 また、システムパフォーマンスの改善も図られている。頻繁に使用されるクエリーを、メモリ上にキャッシュすることによってレスポンスを向上させるSQL Statement Cache、複数のデータベースのリカバリ処理を並行して行うParallel Recovery、さらに、I/Oバッファを拡大したことにより、Create/Load/Alter Databaseなどデータベースを生成する際に使うコマンドを使用した場合において、パフォーマンスが大幅に上がったとしている。

 さらに、「アプリケーションコストの低減」も図られた。既存資産を再利用した形のアプリケーション開発が主流になりつつあることに対応し、そのカギとなる技術であるWebサービスの利用に柔軟に対応できるようにした。ASE ProducerはWebサービスをASEで検索した結果情報を公開できるようにしている。また、ASE Consumerでは、公開されているWebサービスをASEで使用できるようにした。

 一方で、Linux上でのパフォーマンス向上にも取り組んだ。1つは、Red Hat Enterprise Linux 3.0やSGI AltixなどLinux上でのインテルの64ビットプロセッサ環境のサポート。また、IA(インテル・アーキテクチャ)32の最大値である64ギガビットのメモリにも対応する。今後、AMDの64ビットサーバのOpteronや、Intel EM64Tなどもサポートする予定だ。

 また、11月下旬には、データの暗号化や異種プラットフォームでのDump/Loadをサポートした「Adaptive Server Enterprise 12.5.3日本語版」がリリースされる予定になっている。

リアルタイムなシステム間連携を目指す

 もう一方の発表となったSybase Data Services Platformでは、システム間における異なった種類のデータ移動と、リアルタイム・メッセージング機能を1つに統合した「Real Time Data Services」が中核製品となる。

 これは、さまざまなシステム間のインタフェースが「n:n」の形で混在し、またシステム間の連携が夜間バッチなどで対応するしかない「スパゲッティ状態」を脱するためのミドルウェア。異種システムの真ん中に「メッセージバス」を置くことで、データの種類の違いを吸収し、情報をリアルタイムに連携できるようにする。受注処理、与信管理、顧客データベース、会計システムなど、企業の各業務アプリケーション間のデータのやり取りをリアルタイムかつ、スムーズにすることを目指すものとなる。

 だが、通常は、メッセージバスを導入しただけでは問題がすべて解決しない。幾つかの部署では、「新規オーダーの有無を確認する」などのポーリング(ソフトウェアが複数で連携動作する際に、処理要求がないかを連携ソフトウェアに聞いて回る処理方式のこと)アプリケーションが必要だったり、また、システム全体のアップデートには、依然としてバッチ処理が必要になっていることも多い。

 この問題を解決しようとするのが同社のReal Time Data Service(RTDS)だ。RTDSを導入することにより、ポーリングアプリケーションの作成が不要になる点が強みとなる。新規オーダーが入った場合は、RTDSを介して、その情報が直接メッセージバスに通知される仕組みになる。メッセージバスはそのオーダー情報をほかのアプリケーションにリアルタイムに通知をすることができる。

 これにより、情報を連携する仕組みに漏れがなくなるため、バッチ処理を完全に排して、情報を標準のフォーマットで即座に共有することができる。また、ポーリングアプリケーションをなくすことは、パフォーマンスの向上にも寄与する。

 なお、Sybase Data Services Platformにはこのほか、トランザクションの多いデータベースから、あまり利用されていないデータを動的にアーカイブすることで、オンラインデータのディスク保存の容量を圧縮する「Dynamic Archive」や、データベースをログベースで複写することで、データの消失を避けながら秒単位でのフェールオーバーを実現するという「Mirror Activator」などが含まれている。

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