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» 2005年04月11日 04時44分 公開

ユーティリティ・モデル 第2部:ベンダー動向――ITインフラとビジネスのオンデマンド化を実現

IBMは、ユーティリティ・コンピューティングをオンデマンド・ビジネス戦略の一環として位置づけ、オンデマンド型アウトソーシングと呼んでいる。2003年11月に、次世代のオンデマンド型アウトソーシング技術基盤「ユニバーサル・マネジメント・インフラストラクチャ(UMI)」を発表し、従量課金型ITサービスの提供を開始した。

[Open Enterprise Magazine]
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オンデマンド型アウトソーシング

 現在日本IBMは、“オンデマンド・ビジネス”をキーワードとした戦略を展開している。従来は、ユーティリティ・コンピューティングといえば“e-ビジネス・オンデマンド”を指していた。現在では、オンデマンド・ビジネスがユーティリティ・コンピューティングを包含する上位概念として位置づけられ、従来よりIBMが推進してきたオートノミック(自律)・コンピューティングやグリッド・コンピューティングも、オンデマンド・コンピューティングを実現するための主要技術の1つになる。これらの技術は、企業のオンデマンド経営への移行、あるいはオンデマンド企業への変革を支援するためのインフラであり、製品・サービスに組み込まれて提供される。

 IBMが提唱するオンデマンド・ビジネスとは、これまで部門や事業分野ごとの最適化を図ってきた企業が、組織やプロセスを超えて同じデータを共有しながら統合可能になり、ITも部分から全体の統合化に向かうなかで、ビジネス・プロセスが企業の枠を超えたバリュー・ネット全体に最適化され、ITインフラも環境の変化にダイナミックに対応しながら、バリュー・ネット全体への統合化がへ進む状況を指す。

 この数年、オンデマンド・コンピューティングというコンセプトが各社から打ち出されたが、そのほとんどがコンピューティング環境や課金方式についての戦略に留まっているのに対し、IBMは企業の経営そのものがオンデマンドになることを提示している。そして、企業が構造改革を図り、生産性や品質、顧客満足度の高い企業体質へと変革するための経営パートナーとして協業することを目指している。

 2003年11月、日本IBMは次世代のオンデマンド型アウトソーシングの中核技術基盤「ユニバーサル・マネジメント・インフラストラクチャ(UMI)」を発表した。このUMIでは、サーバやソフトウェアなどのIT基盤を統合的、自動的に管理し、コンピュータやアプリケーションを、従量課金型でユーティリティ的に利用できるようになる。

 日本IBMでは、2004年第2四半期から米国IBMと連携して社内での実証テストを開始しており、2005年初頭から本格的なサービス展開を開始する。UMIは、アウトソーシングやWebやアプリケーションのホスティング・サービスなどのオンデマンド型アウトソーシング・サービス基盤として提供していく。

 UMIは、大量サーバの一括管理、自動構成と自動導入、サーバ資源の動的管理、資源使用量管理などの機能を備え、サーバ資源利用の最適化と省力化、ピーク時耐久力の向上、従量制課金を実現するための技術基盤になる。これによりユーザーは、IT基盤の標準化、IT利用の柔軟性の向上、運用コストの容易な管理および削減、運用品質の向上、拡張性が高いIT環境の構築、新規事業開始までのITの準備期間の短縮、などが実現できる。

 UMIは、業務アプリケーション単位の利用から数万台のサーバ群の管理まで、ユーザーの要望に合わせて以下の2つの方法で提供される。

(1)ユーザーがIBMのセンターに導入された共用UMI基盤上のサーバを従量制で利用する

(2)ユーザー専用UMIとして導入し、大量サーバの自動運用管理インフラ基盤として利用する。

 さらに、2004年10月には北米、欧州、アジアに11カ所あるオンデマンド・サービス・センターの拡張と、3種類の新しいユーティリティ・コンピューティング関連サービスを発表している。拡張されるのは、米国、ドイツ、イタリア、スウェーデン、英国、オーストラリア、日本、シンガポールで運営している11カ所のオンデマンド・サービス・センターで、これ以外のセンターについては、2005年に拡張が予定されている。

 この拡張は、UMIの環境に対して実施され、世界各地のオンデマンド・サービス・センターにUMIを導入することによって、どこからでもユーティリティ・コンピューティングが利用できるようになる。

 また、IBMが提供を開始したUMI関連の新サービスとしては、「eServer」「Tivoli」「WebSphere」を使用したユーティリティ・コンピューティング環境を構築するためのサービス「InfrastructureServices Readiness Engagementsfor Utility Computing」、利用したプロセッサやストレージ、ネットワークなどの量に応じて使用料が発生する料金体系「Flexible Demand Option」、金融サービス、ハイテク、生命科学、自動車業界向けのCRMソリューション「ホステッドCRMソリューション」の3製品が発表されている。

以降、記事の続きはPDFで読むことができます。


本特集は、ソキウス・ジャパン発刊の月刊誌「Open Enterprise Magazine」の掲載特集を一部抜粋で掲載したものです。次の画像リンク先のPDFで記事の続きを読むことができます。同特集は、2005年1月号に掲載されたものです。

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