東電工業、「ナレッジセンター」設立で情報共有を強化

東電工業と東芝ソリューションは、東電工業が顧客先で行う工事の業務品質向上と生産性向上を目的に、社内の業務ノウハウを統合管理する「ナレッジセンター」を専任組織として設立したことを明らかにした

» 2005年04月18日 20時05分 公開
[ITmedia]

 東電工業と東芝ソリューションは4月18日、東電工業が顧客先で行う工事の業務品質向上と生産性向上を目的に、社内の業務ノウハウを統合管理する「ナレッジセンター」を専任組織として設立したことを明らかにした。導入作業を東芝ソリューションが行った。

 同センターは、火力部門において、顧客先での工事の品質向上と生産性向上につながるノウハウを業務担当者に適切なタイミングで提供する専任組織。業務改善や工事に関する文書業務効率化のノウハウを提供し、さらに、その後は、不適合事例、類似事例、施工業務知識や新技術といったノウハウにまで対象を拡大するとしている。

 同センターは、情報を再利用可能な知識に変換する「知識化」と、必要な人に適切なタイミングで情報を提供する「知識の運用」の2つの役割を担うことが特徴となっている。

 知識化を担う高度専門技術者グループが、社内に散在する過去の事例や人材行動などの情報を、ノウハウや教訓といった再利用可能な情報としてデータベースに集約する。

 さらに、知識の運用を担当するナレッジデスクが、情報と業務を関連付け、業務担当者に適切なタイミングで公開、配布するという流れになる。こうしたナレッジを活用することで、同社は、高品質、短工期、安全な工事を実現できるようになり、顧客満足度をさらに向上させることができるとしている。

 一方、東芝ソリューションは同センターの構築にあたり、東芝研究開発センターが開発したナレッジマネジメントアセスメント手法と知識構造化手法に基づいた、ナレッジマネジメントのコンサルティングを行い、東電工業が持つ知識資産の洗い出し、知識活用度調査を事前に実施した。その結果に基づき、東電工業に最適なナレッジマネジメントを実現するシステムを構築した。

 知識データベースの構築、知識化、知識運用といったナレッジマネジメントのシステム化には、東芝ソリューションのナレッジマネジメント支援システム「KnowledgeMeister」が採用された。

 東電工業は、2002年から火力部門で部門内での情報共有によるナレッジマネジメントを進めてきたが、同センターでは「全社に散在する情報の知識化が必要」という経営判断のもと、全社規模での知識資産の収集・集約にまで発展させたという。

 今後は、技術部門へのナレッジセンターの適用で、より一層の競争力強化、顧客満足度の向上を見込んでいる。

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