Mytobの亜種、Netskyよりも速いペースで出現〜IPA

IPAは、2005年4月のコンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況をまとめた。

» 2005年05月10日 15時13分 公開
[ITmedia]

 情報処理推進機構(IPA)は5月10日、2005年4月のコンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況をまとめた。

 4月にIPAに寄せられた届出件数は4440件で、3月の4856件から8.4%減少した。ウイルス検出数は338万個となり、3月の262万個から29.0%増加している。

 最も届出が多かったのはNetskyで14カ月連続のトップ。総検出数338万個のうち、308万個と9割をNetskyが占めている状態だった。届出第2位はMydoom(377件)で、Bagle(330件)、Mytob(302件)と続いている。

順位 名称 件数
1位 Netsky 1009
2位 Mydoom 377
3位 Bagle 330
4位 Mytob 302
5位 Klez 255
6位 Lovegate 249
7位 Zafi 159
8位 Bagz 156
9位 Bugbear 131
10位 Swen 111

 報告書では、3月に初めて届出のあったMytobに言及し、多数の亜種が出現していることに注意を促している。IPAによると、Mytobの亜種はすでに70種類を超えており、4月の1カ月間では約50種類が出現している状態。このペースは、依然、届出1位の状態が続いているNetskyよりも速いという。

 短期間に亜種が大量に出現すると、ウイルス定義ファイルが対応する前に亜種を受信する可能性が高くなるため、対策ソフトで検出されなくとも、怪しい添付ファイルは開かない、定義ファイルをこまめに更新するといった予防策を継続するようにとしている。

 またMytobは、Windowsのセキュリティホールを悪用し、ネットワークに接続しただけで感染する機能も持つため、Windows Updateを実施して、セキュリティホールを解消することも促している。

 一方、不正アクセスの届出状況は48件となり、3月の59件から19%の減少となったが、被害のあった件数は24件と3月よりも増加。内訳は、侵入8件、DoS 8件、アドレス詐称1件、成りすまし1件、不正プログラムの埋め込みの疑い4件、不正なネットワークモニタリングの疑い2件だった。

 侵入8件のうち、Webサーバに侵入されコンテンツを改ざんされたという被害事例は3件あり、そのうち1件は日中情勢に関連してサイバー攻撃を受けたと思われるものたったとしている。

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