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» 2005年05月16日 20時18分 公開

Interview:ITILはバイブルのようにして学ぶものじゃない (1/2)

ITILという言葉を聞いたことがあるだろうか? システム運用管理コスト削減できるといわれるコンセプトだが、日本でも普及前夜という感じになってきた。資格者試験を行うEXINの社長にITILとは何か、聞いた。

[聞き手:堀哲也,ITmedia]

 ITインフラストラクチャライブラリ(ITIL)と呼ばれるコンセプトがじわりじわり普及しだしている。サービスマネジメントの成功例を集めた英国発の参考書だが、かさんだシステム運用管理コストを削減できる効果が世界中で認められ、日本企業にも受け入れられてきている。

 このITILに基づいたサービスマネジメントのスキルを認定する資格試験のうち、最も基本となる「ITILファンデーション」の国内認定者も年を追うごとに増え、2002年には年間40人だった取得者は2004年には2695人と大きく増加した。ITILのISO化もほぼ決定となり、企業を認定するサービスマネジメント標準としても浸透してきそうだ。

 ワールドワイドでITILの資格者試験を行い、ITIL普及を図っているオランダのEXINのユップ・ヴァン・ニウスタッド社長は、日本でのより一層のITIL普及を見越し、日本オフィスの開設を計画する。ITILとは何か? 同氏に聞いた。

ユップ・ヴァン・ニウスタッド氏 「欧州から米国に広まったITILだが、今はアジアに広がりつつある」というEXINのニウスタッド社長

ITmedia システムの運用管理コスト削減できるといわれるITILですが、ITILとはどのようなものでしょう?

ニウスタッド ITILにライブラリという言葉が含まれている通り、ITILは一連の書籍で構成されたものです。そこには、IT部門をどのように組織立てすればよいのか、さまざまなプロセスが示されています。例えば、ヘルプデスクをどのように組織すればよいのか、ITの変更・変化に組織としてどのように対応していけばよいのか、そのようなベストプラクティスが盛り込まれています。

 最初に出た「サービスデスク」と「サービスデリバリ」の2冊がコアブックスと呼ばれ、最も重要なものとなっています。これらは80年代後半から90年代に英国のOGC(Office of Government Commerce:英国政府調達庁)から出されました。当初は英国の政府系機関が、このコンセプトによりIT組織の効率性が高まり、コストが下がることから興味を持ち始めたのですが、その後、ほかの産業分野にも使えるのではないかと、欧米諸国に広まり、多くの成功事例が発表されました。HPやIBMといった大手のITベンダーもこれを導入したいと考えるようになり、現場の社員がきちんと使えるようにトレーニングしたいという需要が生まれてきました。

 アジアにもITIL需要が見えてきたのは3、4年前からになります。もともと欧米の企業がアジアの現地法人に適用したいというニーズが発生してきたことがきっかけですが、既に多くの成功事例が発表されていることから、アジアの企業も次第にITILに注目してきています。

ITmedia もともと企業は効率化のためにIT導入を進めてきたはずです。効率が悪いというのも皮肉な話です。ITILが必要になった背景をどう分析していますか?

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