ビジネスとITの統合は「技術屋」にしかできないこと――ウルシステムズの漆原氏Interview(1/3 ページ)

ウルシステムズの漆原氏にSEの現状と今後について話を聞いた。(特集:顧客満足度ナンバーワンSEの条件)

» 2005年05月26日 05時25分 公開
[聞き手:怒賀新也,ITmedia]

 経営とITを統合させることをテーマにビジネスを展開するウルシステムズ。「自分で自分を評価するのではなく、お客様の成功がイコール自分の成功である」と言い切る漆原茂社長に、現在のSEについて考えることを聞いた。テクノロジー以前に大事なことがある、つまり、顧客企業の業務改善を実施できることを常に意識するべきであるとする一方で、その大前提として技術力を挙げる点は興味深い。

SEの2通りの意識

ITmedia 現在のSEについてどんなことを感じていますか?

漆原 現在のSEは、さまざまな技術が台頭していることもあり、以前より数段難しい仕事をするようになっていきています。プレッシャーも大きくなっています。その中で、2つに分類できると考えています。

ウルシステムズの漆原茂社長。

 1つは、常にお客様に顔を向けて頑張ろうとする人。もう一方は、自分が伸びようとする人です。両立するのがすばらしいのですが、最近の傾向としては、後者のタイプの人が多くなってきていると感じています。本来、SEの価値はお客様を向いていることでしか存在しないのに、なぜかスキルばかりを求める傾向があり、それには危機感を持っています。

 お客様とのドライな契約関係に縛られすぎて、リスクヘッジにばかり気をとられるような仕事をする前に、やはり、お客様のWill(意思)を読み取ることが大事だと思います。お客様の仕事が好きでなくてはいけません。それでなくてはいい仕事はできないからです。

 つまり、こういうタイプのSEは、本当の意味でのキャリアパスを描けていないのに、「各論」であるスキルを求めすぎて焦っているように見えるのです。実際には、本質はそこにはないと思っています。お客様の信頼を得るために何をするべきかを理解していれば、各論であるJava、.NET、UML、EAなどはすべて、後からでも何とかなるものなのです。

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