ナレッジマネジメントを活用したピラミッド型組織を促す――リアルコム

ISVエコシステムに参画するリアルコムはナレッジマネジメントを活用したピラミッド型組織を促していく。

» 2005年06月02日 21時38分 公開
[怒賀新也,ITmedia]

 日本IBMは現在、ワールドワイドの取り組みとして、「ISVエコシステム」の構築に力を入れている。同社が独立系ソフトウェアベンダー(ISV)に対して、WebSphereやDB2といったミドルウェア製品に対応したアプリケーションの構築を支援する取り組みであり、さまざまなISVがこのプログラムに参画している。

 企業に蓄積するナレッジを効率的に管理、活用することをソフトウェアとコンサルティングを通じて支援するベンダー、リアルコムもその1つだ。

仕事のノウハウを中間管理職などが抱え込み、保身を図ろうとする点がナレッジマネジメントが進まない場合の1つのパターンになっていると話す谷本社長。

 戦略系コンサルティング企業出身の谷本肇社長は、6年間にわたりシリコンバレーで仕事をしていたという。シリコンバレーの組織の特徴は「逆ピラミッド型」だった。つまり、トップの指令に従うというよりは、現場の人々がそれぞれ決断を下すことで成り立つ組織に近い。これを日本に持ってこようと考えたという。

 「開発部隊、営業、企画など、それぞれの部門が組織を越えてプロジェクトベースで情報共有できる環境を提供するのがリアルコムのビジネス」(谷本社長)

 アプローチは、パッケージとコンサルティングのハイブリッド。こうした環境を提供するためのソフトウェアをベースに、コンサルティングサービスを提供する。

 また、環境を提供するだけがビジネスではない。「事柄ごとにエキスパートがだれかを把握し、それをデータベース化しておくこと。また、だれとだれがどんなやり取りをしているかなど、履歴をサーバサイドで取ることで、業務の効率化を考えられるようにしていく」という。

 同社が提供する具体的な製品は3つ。1つは、人を中心とした情報共有を実現するためのスイート「KnowledgeMarket EnterpriseSuite」、そして、同製品をNotes上で活用するための「KnowledgeMarket HAKONE for Notes」、さらに、Notesユーザー向けに、Notes/Dominoのアクセスログを文書やユーザー単位で詳細に取得、集計するためのソフトウェア「Notes Watcher」だ。

 IBMとの協業について谷本社長は、「IBMとリアルコムにおいて、提案するソリューションのコンセプトが似ている点が成功している理由」と話す。KnowledgeMarket EnterpriseSuiteとHAKONEにおいてWebSphere、DB2対応、Notes WatcherもDB2に対応している。

 主な導入企業の1つが東京三菱銀行だ。同行では、ナレッジマネジメントのためにNotesと組み合わせたシステムを活用しており、1万7000人のすべての従業員が利用している。

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