もっと売れるWebサイトにするために――Interopブースリポート

Interopの展示会場の中で、一際目立っているのがソフトバンク・テクノロジーのブースだ

» 2005年06月09日 10時18分 公開
[ITmedia]

 Interopの展示会場の中で、一際目立っているのがソフトバンク・テクノロジーのブースだ。同社は、親会社にあやかり、ブースの全員がソフトバンク・ホークスのユニホームを着るという徹底ぶりで来場者にアピールしている。

 同社は、ブロードバンドに関連して、製品の販売やシステムインテグレーションなどを行っている。特に力を入れているのはオフィス電話環境のIP化への取り組みだが、今回、一押しのソフトウェアとしてブースで紹介されているのは、Webサイト分析ASPサービス「SiteCatalyst」。これは、提携している米Omnitureが提供しているもので、Microsoft、Oracle、Sun、HP、Intel、AOLなどのIT企業に加え、Wal-Mart、Nikeなど、米国の幅広い企業が自社のWebサイト分析に活用している。

 これは、Web上からモノを売るe-ビジネスサイトなどにおいて、ページを訪問してきたユーザーの行動を分析することで、市場や顧客動向の把握、自社サイトの弱点などを発見し、ビジネスの改善を図るためのツール。キャンペーンの効果測定や関係者へのリポート配布など、売り上げが思うように伸びないなどの悩みを抱える企業をサポート、ASP形式で提供されることも特徴となっている。

 同ソフトウェアでは、顧客が商品紹介ページを見た後の行動を順位を付けて把握することができる。たとえば、同ページから別のページへと離れていってしまったユーザーの数や、商品購入ボタンをクリックした人の数などを明示的に表示する。

 デモでは、ある商品の架空の営業担当者が登場。この人の悩みは、「商品紹介ページの閲覧者は多いのに、購入する人の数が少ない」こと。そこで、SiteCatalystで調べたところ、紹介ページ閲覧後のユーザーの次の行動のうち、実際の購入にあたる、「“ご購入はこちら”を押す」項目が最下位であったことを知ることになる。

左は従来のテキストベースの購入案内、右はボタンにしたもの。

 結果として、「“ご購入はこちら”がテキストで表示されているために目立たないのではないか」という点が、低クリック率の原因となる仮説として浮かび上がった。そのためとった対応は、購入の際のトリガーを、テキスト表示ではなく、より視覚に訴えるボタンにしたこと。これにより、順調に売り上げが伸びていったという設定でデモが行われている。

 こうしたWeb分析ツールは、2000年前後のITバブル以降、しばらく息をひそめていたような印象はあるが、現在再びブームが訪れる気配があるようだ。インターネットの経済や社会への浸透、ADSLやFTTHをはじめとしたブロードバンドの進展など、環境も変化している。何よりも、e-ビジネス市場が急激に成長しており、それをサポートするためのツールとして注目される。

「ホークス」を全面に打ち出すソフトバンク・テクノロジー。

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