Barr UserLinuxもお続けになるのでしょうか。
Perens UserLinuxも続けます。オープンソースに関する仕事は、すべて従来通りです。ですから、Debianの仕事も続けます。もっとも、Debianはすでにリリースされましたから、今はUserLinuxのリリースに力を入れていますが。この6日にSargeをリリースして、ほっとしているところです。品質は非常に高く、おそらく、どのLinuxディストリビューションよりも高品質でしょう。次期Debianのリリースは来年になると思います。
しかし、Debianベースのシステムを商用サポートする仕組みを改善する仕事が、まだ残っています。現実にサポートすべきリリースが出たわけですから、これからは本格的に取り組めます。現存しない物についてビジネスするのは実際的ではありませんからね。
今わたしが取り組むべき課題で最も重要なものは政策関連です。おそらく、政策課題の中で最も重要なものでしょう。それは、オープンソースをソフトウェア特許から守ることです。会社の支援を背景に、表だって取り組んでいきます。
Barr EUとMicrosoftの対立が決着したことについて、ご意見をお聞かせください。
Perens EUとこうした形で決着することは、ほとんどの原告が脱落したときに予想されていました。つまり、6カ月以上も前からわかっていたことです。
Barr Microsoftが原告を買収したということでしょうか。
Perens 基本的には、そういうことでしょう。たとえば、Novellは脱落したことで、大金を受け取っています。他の多くの企業も同様です。最後に残ったのはCCIAで、OSAIAという部門を通してオープンソースに関わっていました。そして、そのCCIAでさえも、辺りを見渡して「あれ、友人たちが皆いなくなってしまった」とつぶやき、金で解決することにしたのです。それで得たお金の使い道に制限はありませんから、それを元手にMicrosoftと戦うことはできます。CCIAは今もオープンソースに関わっていますが、残念ながら、今回、わたしたちはMicrosoftに対する本当に意味のある制約を勝ち取ろうとはしませんでした。
Barr 米国での訴訟より、少なくとも善戦はしたのではないでしょうか。
Perens ええ、米国では政治的に動いているように思えます。ジョージ・ブッシュが選出されたようなもので、青息吐息状態です。本当に残念なことです。しかし、だからといって、再起不能というわけではありません。
しかし、ソフトウェア特許の方が、わたしには気になります。欧州では、ソフトウェア特許を制度化するために多くの資金を投入する人々がたくさんいます。その中には、わたしたちの友人とされている企業の多くも――IBMやHewlett-Packardも――含まれています。本当に悲しいことです。
ここでは、IBMもHewlett-Packardもオープンソース・コミュニティーの利益に直接反する行動をしていると思います。ソフトウェア特許を制度化するためにロビー活動をしているのですから。一方、米国では、いわゆる特許改革法案がありますが、これは米国の特許制度を欧州や日本のそれに整合させることを直接の目的とするものであり、問題点を直そうという趣旨ではありません。この法案については、今後、もっと話題になるでしょう。
Barr ありがとうございました。
Bruceが所信を表明した文章がWebサイトTechnocrat.netに掲載されている。
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