「Cognos 8 BI」をプレビュー、CPMに照準を合わせるCognos(1/2 ページ)

Cognosはフロリダ州オーランドの「Cognos Forum 2005」で次期製品「Cognos 8 Business Intelligence」をスニークプレビュー。ライバルらに先駆け、「CPMのリーダー」へ名乗りを挙げた。

» 2005年06月28日 11時46分 公開
[浅井英二,ITmedia]

 「われわれは顧客が最良の業績を達成できるよう努力を惜しまない」──ビジネスインテリジェンス(BI)のリーダー、Cognosを率いるロブ・アッシュ社長兼CEOは、ホテルのボールルームを埋めた約2000人の顧客やパートナーらに強い決意を示した。

 米国時間の6月27日、沼地特有の湿気でうだるフロリダ州オーランドでCognosの年次ユーザーカンファレンス「Cognos Forum 2005」が開幕した。オープニングのキーノートでは、9月に正式発表される次期製品「Cognos 8 Business Intelligence」もスニークプレビューされた。

アッシュCEOはCognos入社21年のベテラン、CFOを務めた経験が同社のCPM戦略に生かされている

 Cognosはここ数年、「CPM」(Corprate Performance Management:企業業績管理)のビジョンを掲げ、BIを戦略的なソリューションという、より高い次元へと引き上げようとしてきた。OLAP(Online Analytical Processing)ツールの「Cognos PowerPlay」でその名が知られる同社だが、スコアカードのCognos Metrics Managerや予算策定を支援するCognos Enterprise Planningを追加したほか、2003年9月にはCPMの基盤として「Cognos ReportNet」を発表している。

 特にアッシュ氏が「根本的な変化」と呼ぶReportNetは、SOAPやXMLといったWebサービス標準を活用し、SOA(サービス指向アーキテクチャー)をベースに開発されているため、さまざまなシステムとの統合性に優れている。また、「100%ピュアWeb」のアーキテクチャーで、クライアントモジュールのインストールやダウンロードを必要としないのも大きな特徴となっている。

 これまでレポートやアドホックなクエリというと、その背後では部門ごとにさまざまな基幹業務システムから必要なデータを抽出し、データマートを構築することが多かった。しかし、ReportNetはまさにSOAの恩恵を享受し、異なるデータソースの違いを吸収する単一のプラットフォームとして機能するわけだ。SAP BW(データウェアハウス)やDB2 Cube Viewsのメタデータにも対応しており、それらに蓄積された情報も最大限に活用できる点が評価されているという。

 2月末に締めた2005会計年度、ReportNetは1億5340万ドルのライセンス収入を上げ、Cognosの好調な業績を支えている。同社の2005年度の売り上げは、前年比21%増の8億2550万ドルに達した。

レポートと分析が統合されるCognos 8 BI

 現行のCognosシリーズ7でも、一連の製品を組み合わせれば、CPMのビジョンは実現できるが、次期バージョンのCognos 8ではReportNetを基盤として統合されたスイートへと生まれ変わる。その第1弾が今回のキーノートでデモされたCognos 8 Business Intelligenceだ。

 「レポートと分析すべてが単一のプラットフォームで可能になる。これまで目にしたことのないイノベーションだ」とアッシュ氏は自画自賛するが、それには十分な理由がある。

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