求む女性開発者! オープンソースではわずか2%に過ぎないO'Reilly Open Source Convention

オープンソースソフトウェアプロジェクトに取り組むデベロッパーのうち女性はわずか2%に過ぎない。O'Reilly Open Source Conventionのパネルディスカッションでは女性参加促進に向けた討議が行われた。(IDG)

» 2005年08月09日 10時49分 公開
[IDG Japan]
IDG

 オープンソースソフトウェアプロジェクトに取り組むデベロッパーのうち女性はわずか2%に過ぎない。既にオープンソースムーブメントに関与している女性たちは、この数字が高まることを望んでいる。

 こうした問題がパネルディスカッションの場で提起されたのは、先週オレゴン州ポートランドで行われた第7回 O'Reilly Open Source Conventionの最終日のことだった。2%という数字は幾つかの大学や私的な調査から取りまとめたものだという。固有のソフトウェア開発に従事するデベロッパーのうち25%が女性であるのと比べると、遥かに低い数字だ。

 オープンソース開発に参画しようという女性にとって障害となっていることのひとつは性差別主義だ。男性デベロッパーらは、不愉快なコメントを投稿したりして、女性がオープンソースプロジェクトに参画しようとするのを思いとどまらせているとパネル参加者は指摘する。

 Open Source Instituteのボードメンバーを務めるインテルのデーンズ・クーパー氏は、ひとつのアイデアとして、オープンソースコミュニティーの中に女性限定のグループをつくることがあると話す。Debianコミュニティーには「Debian Women」と呼ばれるグループがつくられており、これまでに4人が参加している。彼女によれば、Apacheオープンソースコミュニティーでも同様のグループをつくることが検討されているという。

 Mozilla Foundationのプレジデントを務めるミッチェル・ベーカーにとっても、忍耐強く同プロジェクトに関わってきており、それによって良い評判も得ている。しかし彼女は、家庭を持つ女性はほかのデベロッパーらのように常に多くの時間をオープンソースプロジェクトのために割けないことが課題のひとつだと話す。彼女も7歳の息子の育児について夫の手助けがなければ、Mozillaプロジェクトで働くことはできなかっただろうと振り返る。

 「いつ子どもを持つのか? それが大きな問題だ」とベーカー氏。

 グーグルでオープンソースプロジェクトのマネジャーを務めるザーヒダ・ボラト氏も、時間的な問題が大きいと同意した。「夜も週末もつぶれてしまう。(オープンソース)コミュニティーはグローバルであり、昼夜なしだ」と彼女。

 Perl Foundationのプレジデントであり、O'Reilly Mediaの編集者であるアリソン・ランダル氏は、強く主張し、ただ懸命に働くことによってオープンソースプロジェクトに関与してくることができたと話す。

 「最も難しいのは、たぶんプロジェクトの仕事をすること自体であって、男性デベロッパーからの反応を恐れることではない。それがオープンソース世界の仕事のやり方のように思える」(ランダル氏)

 女性ができる次の重要なステップは、ほかの女性に参画するよう勇気づけることだと話すのは、Sun MicrosystemsでOpenSolarisのシニアマーケティングマネジャーを務めるクレア・ジョルダーノ氏。ブラウン大学時代、数学とコンピュータサイエンスを勉強しているとき、男子学生たちから「ムリだ」と言われたという。

 「私は耳を貸しませんでした」と彼女。エンジニアである父が彼女の思うとおり、数学への愛着を育んでくれたという。

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