グローバル企業はワンシステムを心がけるべきとIMGのCEO

外資系企業の日本法人を中心とした中小規模組織へのコンサルティングに力を入れるIMGのトーマス・グッツヴィラーCEOに話を聞いた

» 2005年08月15日 09時26分 公開
[怒賀新也,ITmedia]

 外資系企業の日本法人を中心とした中小規模組織へのコンサルティングに力を入れるベンダーとして、日本での活動を強化しているのがIMGジャパンだ。特に、mySAP ERPなどのパッケージ導入に強みを持つ。同社は日本法人が1998年に設立、以来スイス本社や世界各拠点と連携を取りながら、日本市場に即した戦略を展開する。

 来日した同社トーマス・グッツヴィラーCEOに話を聞いた。今後も拡大が見込まれる中国市場でのビジネス展開を強化するという。今月3日には、中国に現地法人を設立することも明らかにしている。

「簡単な道は今日はよくても明日はだめになってしまう」と会社経営における考えを話すグッツヴィラーCEO

 グッツヴィラーCEOは、中国市場への展開を考える企業にとって重要な要素として、戦略の立案と、それを支える情報システムをしっかりと構築することを挙げる。IMGは、この面でグローバル展開する中堅企業をサポートしていく考えだ。

 同氏は、グローバル展開する企業の情報システムに求められる要素として、「すべてのオフィスでワンシステムの環境を実現すること」と話す。これまで一般的に、グローバルとして企業が作成したテンプレートをベースに、各国のローカルオフィスがシステムを開発していたが、同CEOは「それでは効率が悪い」と強調する。

 というのは、テンプレートをベースにした開発では、カスタマイズが多く発生し、時間が経過するにつれて、グローバル企業でも各国でシステムに整合性が取れなくなってしまうからだ。

標準化が難しいビジネスモデル

 同氏は、「TCP/IPをはじめ、ITの多くの分野で標準化が進んだ。だが、ビジネスモデルは標準化されていない」と強調する。インフラ技術などと異なり、各企業で統一が難しいビジネスモデルの領域でIMGは顧客にサービスを提供する。

 ビジネスモデルをしっかりと立案し、それに基づいた情報システムを構築することは理想的だが、実際には難しいことも多い。

 たとえば、企業内のITガバナンスがうまくいかないことが挙げられる。ITと業務プロセス間の問題は、ビジネスの問題であり、通常はITの担当者だけで解決できるものではない。したがって、ITと経営を統合するためには、ガバナンスをしっかり行えるよう組織化していくことが不可欠になるとグッツヴィラーは強調する。また、システムを構築する前に、マスターデータをきれいにそろえることが、多くの企業にとって障害になっていることが多いとも指摘。

 IMGは、ドイツ銀行や独テレコムなどへのサービス提供実績を基に、ビジネスを交えたさまざまな問題についてコンサルティングし、企業の課題を解決していく考えだ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ