Octave――学術の場より

学術、研究の場では意外にオープンソースに対する認識が高い。今回は、対話型の数値演算ソフトウェアであるOctaveを紹介しよう。

» 2005年09月12日 18時13分 公開
[中津川篤司,japan.linux.com]

 学術、研究の場では意外にオープンソースに対する認識が高い。元々コンピュータの利用に対する歴史が古いこともあるだろう。また、知識の共有は学術、研究の本分だからこそ、オープンソースという考えがマッチするのかも知れない。

 一般的に、学術、研究の場で利用されるソフトウェアは専門性が高く市場がニッチになりがちなので、その価格は自然と高価なものとなる。優秀なオープンソース・ソフトウェアが代替となるのであれば、おのずとそのシェアは高くなる。

 ここで紹介するオープンソース・ソフトウェアはOctave、対話型の数値演算ソフトウェアだ。GPLで提供され、stableの最新バージョンは2.0.17、Testingで2.1.71、Developmentで2.9.3がそれぞれ公開されている。

Octave Octave

 プログラムを組み合わせて演算を行い、その結果をgnuplot等を使って出力できる。提供される数学解法は、微分積分、統計、非線形方程式、信号/画像/音声処理、さらに行列計算などなど豊富に用意されている。

 この手のソフトウェアの商用版がMatlabというソフトウェアになる。足りない関数はあるが、Matlabのスクリプトがそのまま使えるといった互換性の高さも売りだ。互換関数を提供し、乗り換えを促すパッケージも存在する。

 非常に高度であり、万人向けでは決して無い。だが統計手法を通じて、マーケティング担当者は使えるかも知れない。また、学生にも試して欲しいソフトウェアだ。

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