Dell、Itaniumサーバから撤退へ

DellはIntelのハイエンドサーバ用プロセッサItaniumの採用を打ち切ることが明らかになった。(IDG)

» 2005年09月16日 15時32分 公開
[IDG Japan]
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 DellはIntelのItaniumのサポートを終了する計画だ。Intelの広報担当者が明らかにしたものだが、ItaniumサーバはDellのサーバ戦略の中でわずかな部分を占めるにすぎない。

 ItaniumはデータセンターやHPC向けのハイエンドサーバ用プロセッサで、Intelはこれを64ビットプロセッサとして推進していた。しかし、32ビットのx86 Xeonプロセッサとは異なる命令セットを使っていたためにソフトウェア開発者はアプリケーションのポーティングを渋っていた。

 IntelはItaniumの当初の命令セットをIBM、HP、SunなどのUNIXサーバ向けRISCプロセッサの代替として勧めており、富士通やNECなどのサーバに採用されている。

 Dellのサーバビジネスはこれらのベンダーとは異なり、1990年代中頃からIntelのXeonプロセッサとともに成長してきた。同社のサーバはWindowsとLinuxを使った、RISCサーバの安価な代替品として受け入れられ、サーバ市場を変革していった。Dellが推し進めた比較的安価なx86サーバは、今では全世界のサーバの約90%を占めるほどに広がっている。

 Advanced Micro Devices(AMD)がx86命令セットの64ビット拡張をデモして64ビットコンピューティングへの移行が容易になってくると、Intelも同様の技術をリリースした。Dellは現在では64ビット版Xeonプロセッサを製品ラインアップ全域で採用している。

 IntelはItaniumを大規模に採用していた顧客ではなかったとIntelの広報担当者、エリカ・フィールズ氏は説明する。「当社にはItaniumを販売する数多くのベンダーがいる。Dellはその中の1社ではあるが、実のところ、その売り上げはわずかだ」と同氏。

 Dellのエンタープライズビジネス担当者からのコメントは得られていない。

 IntelがItaniumをメインのサーバプロセッサとはしない方針を決めた後、このプロセッサ用のチップセット開発も停止され、HPや富士通などのパートナー企業に一任された、とIlluminataのアナリストであるゴードン・ハフ氏は解説する。Dellの研究開発投資額はこれらの企業よりも少なく、今年立ち上げ予定のデュアルコア版ItaniumであるMontecitoのチップセットを開発する予定もない、と同氏。

 「DellはItaniumに投資を続けていたのに突然サポートをやめたというわけではない。同社が販売しているのは比較的古い製品で、例えそう望んだとしても短期的な方針を設定することはできないだろう」とハフ氏は説明している。

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