中央大学、電磁波伝搬シミュレーションなど新可視化システムを開発

中央大学理工学部は日本SGIの「GEO-Element」を基盤に都市空間におけるシミュレーションなどを実現する新たな可視化システムを開発した。

» 2005年09月28日 17時16分 公開
[ITmedia]

 中央大学理工学部は日本SGIの「GEO-Element」を導入、同学部の情報工学科システム解析・可視化研究室ではこれを利用し、都市空間におけるシミュレーションなどを実現する新たな可視化システムを開発した。GEO-Elementは2004年4月に日本SGIがジオ技術研究所と共同で発売した3次元地図アプリケーション開発キット。

 牧野光則教授が指揮を執る同研究室では、CGを用いた可視化の研究を行っているが、特に建造物や地形などに依存した環境の可視化を行うには詳細な地図データベースが必要となる。そうした設備を研究室で独自に開発・構築・管理するのは困難と判断、GEO-Elementの利用に踏み切った。

 今回同研究室が開発したのは無線LANによる情報漏えいや移動体通信機器への電波到達性の評価などに利用する「電磁波伝搬シミュレーション」と、「ビル街における歩行者のための3次元地図ビューア」。前者は21世紀COEプログラム「電子社会の信頼性向上と情報セキュリティ」の一環(無線ネットワークの信頼性と電磁波漏えい)として研究が進められている。

「電磁波伝搬シミュレーション」赤丸が電磁波発生点。黄色のドットが電磁波伝搬の様子(色が濃い緑になるにつれて弱くなっていくことを表している)

 大学の研究室でもそのアウトプットが求められる時代となったこともあり、成果を分かりやすく可視化するソリューションはこれまで以上に求められるようになってきている。今回の成果も商用利用への転用も含めさまざまな可能性が期待される。

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