MSの和解条件遵守をめぐり判事が苦言

Microsoftが米連邦地裁判事に叱りつけられた。独禁法和解条件遵守プロジェクトの大幅な遅れと「うっかり」ミスによる新たな排他契約提案が原因。(IDG)

» 2005年10月27日 08時16分 公開
[IDG Japan]
IDG

 米Microsoftの独禁法訴訟和解条件遵守を監視している米連邦地裁判事が10月26日、Microsoftを叱りつけた。同社が最近、通信プロトコル用技術文書改善プロジェクトの大幅な遅れを発表したことが原因。

 米コロンビア地区連邦地裁のコリーン・コラー−コテリー判事は、Microsoftが2月に発表した技術文書プロジェクト2件のうち1件の完了予定を、2006年初頭から2006年10月以降に先延ばしした理由について問いただした。Microsoftは同判事が2002年後半に承認した和解条件の一部として、同社のプロプライエタリな通信プロトコルの公開を命じられており、この2件のプロジェクトはMicrosoftによる命令準拠の一助とするためのものだった。

 「リソースに問題があるなら補填しなさい。完了のために必要なことをするように」。独禁法遵守の審問でコラー−コテリー判事はMicrosoft側弁護団にこう言い渡した。

 Microsoftが携帯音楽プレーヤーメーカーに対し、「Windows Media Playerをソフトパッケージに組み込んで出荷するならこれのみの提供を認め、競合するメディアソフトを組み込んではいけない」と提案していた理由についても同判事は質問した。この排他条項は過去3カ月のうちに提案されたもので、独禁法訴訟の和解条件に違反していると同判事。

 「命令のこの時点でこのようなことが起きてはならない。人為ミスが起きるものだということは承知しているが、こうしたことが起きてはならない」とコラー−コテリー判事。

 Microsoftは外部からの苦情を受けて排他条項を見直し、数日後に最終案をメディアプレーヤー企業に配布したと、Microsoft側弁護士のチャールズ・“リック”・ルール氏は説明。この提案はMicrosoft下層部の従業員が作成したもので、同社は直ちにプレーヤーメーカーに対し、排他条項を守る必要はないと通知したとしている。Microsoftは苦情について米司法省にも報告したと同氏。

 Microsoftの社内でなぜメディアプレーヤー提案に気づかなかったのかとコラー−コテリー判事は質問している。

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