ベリングポイントは11月17日、米BearingPointが10月17日に発表した調査「変化か取引か? 21世紀のリテールバンクモデル」の結果について解説する記者向けブリーフィングを開催した。さらに、調査結果を基に、日本の金融市場での取り組みに関してもコメントしている。
調査結果から、銀行業の新たな成功方程式と21世紀の新しいビジョンを形成するための3つの要因が示された。それぞれを挙げると、1つは、テクノロジーとプロセスへの投資から銀行が価値を獲得できるとする「プロセスに対する収益への傾斜」、次に、銀行員はより創造的な方法で全社データの活用を要求するデータブローカーであるとする「銀行と銀行員の役割の重要な変更」、3つ目は、セキュリティやコンプライアンスへの対応や、さまざまなリスクが増加する中で、顧客データをいかに処理するかといった内容の「顧客経験とコンプライアンスの課題」となっている。
こうした状況を踏まえながら、日本における展開について説明した茅野英治ディレクターは、日本の金融市場について示唆した。まず、プロセスに関する21世紀の金融業における動きで考えられることが、業態を超えた戦略的提携だ。銀行と保険、証券、消費者金融を含めた垂直統合や、戦略的提携の動きが進むという。また、同業他社とのいわゆるシェアドサービスの取り組みも加速するとしている。
また、「真の顧客主義が進む」のも同社の主張だ。金融機関は、市場の変化をすばやくとらえ、俊敏に対応する必要があるという。そのためには、迅速に新商品を開発、販売できるインフラ作りや、顧客分析のためのデータマネジメント導入、SOA(サービス指向アーキテクチャ)やBPM(Business Process Management)の導入が経営課題として挙げられるという。さらに、新BIS規制や日本版SOX対応のために、ITを活用した内部統制の強化も求められる。
ベリングポイントは、こうした認識をベースにして、同社の具体的なサービス展開について紹介した。
BPMやSOA導入におけるIT戦略の策定やBPMツールの導入、内部統制の分野では、ビジネスプロセスの文書化支援や「内部統制クイックスキャン」と呼ばれるサービス、リスクマネジメントでは、新BIS規制向けソリューションとしての第一の柱である「信用リスクアセット計算システム」の開発、第二の柱として「内部監査体制構築」といった取り組みに注力する考えだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.