しかしながら、「サービス」とは何か、と考えると、ビジネスの視点からは単純に「何を幾らでやってもらえるか」ということになるだろう。得られる効果とコストのバランスを検討できないようでは、サービスとして利用するといってみても意味はない。
しかしながら、Webサービスで確立されたのはあくまでもソフトウェアコンポーネントの呼び出しに関する技術的なインタフェース仕様であり、「何を幾らで」という点は技術が解決する問題ではない。
つまり、Webサービスの仕様の外で、利用料金は幾らか、SLA(Service Level Agreement)はどうなる、といった諸問題を解決する必要がある。コンポーネントを呼び出すたびに利用料金が加算されるのか、定額料金で一定期間、自由に利用できるのか、呼び出してから応答が返るまでの時間は保証されるのか、何らかのトラブルでコンポーネントの呼び出しが失敗した場合にはどうなるのか、といった問題は、実際にサービスとして利用する際にはユーザーが当然気にする点だが、これを解決するのはWebサービスの技術仕様ではなく、サービス提供者とユーザーの交渉でしかあり得ない。
サービス提供者とユーザーの大まかな合意が成立して、「相場」が確立されないと市場の成長も見込めないが、Webサービスはいまだその域に至っていない。
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