特集
» 2005年11月30日 22時29分 公開

IT部門はコンプライアンスとどう付き合う?:コンプライアンス時代はIT価値向上のチャンス (1/3)

IT業界では「コンプライアンス」というキーワードが花盛りだ。業務プロセスがITを前提としたものであることを考えれば、企業内ITはコンプライアンス活動の適正化に影響を与える。単なる流行語としてとらえるのでなく、長期的なトレンドと考えたい。

[栗原潔,ITmedia]

 コンプライアンスとは「法令順守」ということだ。なぜ、今、この「法律を守れ」という当たり前のことがこれほど重要視されているのだろうか? 米国においても日本においても大規模な企業の不祥事が、経済的・社会的に大きな影響を与えることが多くなってきた。これが1つの契機になっているのも確かだが、企業の株主価値の重視や企業の社会的責任に対する世間の認識が高まってきたことも大きな推進要因だ。

 コンプライアンスとは法令順守であると述べたが、今日では、単に法律や規制を守ることだけでなく企業倫理を順守し、企業の社会的責任(CSR:Corporate Social Responsibility)を果たすことまで含めてコンプライアンスと呼ばれることが多い(広義のコンプライアンス)。対象となる法律や規制は、個人情報保護法、不正競争防止法、知的財産権法、会社法、BIS規制(自己資本比率規制)などさまざまであるが、特にSOX法(米国企業改革法)およびその日本版ともいえるJ-SOX法のような会計処理と財務報告の適正化に関する法令の順守に絞ってコンプライアンスという用語が使われることも多い(狭義のコンプライアンス)(図1)。

図1 コンプライアンスの定義

 SOX法やJ-SOX法へのコンプライアンスが重要なのは明らかだ。資本市場のグローバル化に伴い、日本市場がフェアでなく信用できないという印象を世界の投資家に持たれてしまうことは、単なる一企業の問題だけではなく、日本経済全体への長期的悪影響を与え得るからである。司法による支配が徹底されている米国とは異なり、日本においてはさまざまな規制が柔軟に運用されていたケースが多かった。しかし、今後は、これまで大目に見られていたグレーゾーンの行為が、ブラックゾーンとみなされ、企業が法律的制裁だけでなく社会的制裁を受けるケースが増えてくるだろう。

 コンプライアンスは単なる流行語としてとらえるのではなく、長期的なメガトレンドととらえて戦略立案を行うときに差し掛かっている。

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