しかし、IT分野で問題とされる2007年問題はほかの産業と異なる様相を示している。というのも、プログラマーに期待されるスキル構成が既に変容しているのだ。
ある調査によると、基本情報処理技術者試験で採用されているプログラミング言語のうち、COBOLのプログラマーは現在、全プログラマーの40%程度を占めているが、これが今後下降線をたどると予測されている。20%前後を占めるCやC++も頭打ちで、伸びることはなく、それに代わって現在は10%程度と少数派のJavaのプログラマーが急増する。
ここにきて、メインフレームメーカーの間にも、ミッションクリティカルな業務をJavaや、コンポーネントをベースにした手法で開発しようという動きが出ている。その動きが加速し、メーカーも、今後の新規開発はJava環境でコーディングする比率が非常に高くなると見られている。ちなみに、今話題のWeb 2.0を支えているAjaxも、JavaScriptとXMLを融合したプログラム環境であり、新たな開発環境への流れはさらに加速している。
つまり、プログラミング言語の推移という問題であれば、ことさら2007年を基軸にしなくても、これまで何度もその波を越えてきたと言えるのだ。かつて事務計算はCOBOL、科学技術計算はFORTRANと相場が決まっていたものだが、1970年代後半にはPCの登場によってBASICがブームになった。
現在では、その流れをくむVisual BASICが幅広く使われているが、その間には推論言語と言われたLISPやPrologが脚光を浴びたこともあった。だが、大きな流れとしてはCOBOLからC、C++、そしてJavaへと推移してきた。
この30年ほどを見ると、そうした緩やかな流れがあった。時代の流れに合わせて、プログラマーがきちんと対応してきたということである。そこに、ことさら2007年問題が持ち出される裏には、どんな事情があるのか。
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