企業はオープンソフトウェアを採用してコストを削減しているTrend Insight(1/2 ページ)

コンサルタント会社Optarosのリポートによれば、ますます多くの企業がLinuxとオープンソースを受け入れ、大きなコスト削減に成功しているという。オープンソースは、先駆者が使う段階から、主流になり始める段階に移りつつある。

» 2006年01月30日 11時00分 公開
[Jay-Lyman,japan.linux.com]
SourceForge.JP Magazine

 コンサルタント会社Optarosが先月リリースしたリポートによれば、今やLinuxとオープンソースは、ますます多くの企業によって抵抗なく受け入れられるようになってきており、その結果、Linuxとオープンソースを採用する企業は大きなコスト削減に成功しているという。

 8から9月にかけて512の米国企業、政府機関などに対してOptarosが行った調査によれば、それらの企業や機関の87%がオープンソースソフトウェアを使っているという。デイブ・ギン氏(Optarosのアプリケーション基盤プラクティスリード)は、実際にはすべての企業や政府機関がオープンソフトウェアを使っているようだと言っている。「オープンソフトウェアを使っているという認識がない人はまだ多い」のだという。

 彼によれば、1年半前の同じような調査では、規模にかかわらずほとんどすべての企業がオープンソースを使っていないと回答したが、Linux、Apache、MySQLそのほかの著名なソフトウェアがオープンソースに含まれることを告げると、「ああ、それなら使っているよ」ということになるのだそうだ。

 IDC副社長のダン・クズネスキー氏による調査では、Linuxサーバによる収益は、Windowsサーバの3倍の割合で増加しており、オープンソフトウェアがますます認知され、使われるようになっていることを裏付けている。「全体的に言って、Linux、さらに広く言うとオープンソースは、先駆者が使う段階から、主流になり始める段階に移りつつある」というのが彼の見方だ。

 またオープンソースは、基本的なインフラにとどまらず、データベースや、アプリケーションサーバやアプリケーションソフトウェアなどの、よりクリティカルな用途にも使われるようになってきているという。

今日ではオープンソースは企業や政府機関で非常に広く使われるようになっており、Illuminataのシニアアナリスト、ゴードン・ハフ氏は、オープンソースを使っているかどうかを組織に聞くことを「非常に低いハードル」と呼んだ。彼は、オープンソースのことがをよく知らなかったり、自分の組織でのオープンソースの使用状況をよく知らないCIOには、この質問をするのだという。

 ギン氏によれば、オープンソース(主にLinux、Apache、オープンソースのWebブラウザ、JBossNagios)は、組織全体というよりは、ワークグループで使用されはじめている。「どこでも、会社ではなくワークグループがまず決定し、次にさらに大きな組織に採用されていくのは、承認を受ける必要がないからだ」という。

 ギン氏は、PloneとeZ publishが多くの部門サーバでVignetteよりも支持されていることを挙げ、オープンソースがコンテンツ管理に使用されていることを強調している。

 Optarosによれば、オープンソースが成長を見せているもう一つの領域はCRMで、この領域では調査対象の組織の16%がオープンソースを使用しており、今後3年の間に2倍になると予測されているという。オープンソースのCRMの使用を後押ししている主な2つの理由は、コストが削減できることと、ほかのアプリケーションとの統合が容易であることだとギン氏は言っている。つまり、組織はSalesForce.comを使えばコストを削減できるかもしれないが、オープンソースほどには管理の自由度がない。「管理を取り戻すと同時に、コストも抑えたいという要望があり、オープンソースではその両方が可能だ」というわけだ。

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