「日本史上初」の人口減と2007年問題が重なって、どうする?構造改革としての2007年問題(2/3 ページ)

» 2006年01月31日 08時36分 公開
[宍戸周夫,ITmedia]

「再雇用」では問題は解決しない 

 2007年問題は、日本の経済基盤を揺るがす大問題だ。だが、これに対して政府はほとんど傍観している状況である。具体的な施策を講じているわけではない。それでは、企業はどのように対応しようとしているのか。実はこれも、ほとんど対応していないというのが実態と言わざるを得ない。

 ある新聞社が2005年12月にこの2007年問題への取り組みを調査したところ、80%以上の企業が団塊世代の退職を危惧しているが、その対策では70%以上が「再雇用」と答えている状態だ。とりあえずは、こうした団塊世代を再雇用することによってしのごうという企業が大半である。

 しかし、これこそ由々しき問題と言わざるを得ない。もちろん再雇用は可能だろうが、これは将来的かつ抜本的な問題解決策にはならないからだ。再雇用しても、団塊世代が永遠に働き続けることは当然できない。いくら頑張っても、その能力は衰えてくる。例えは悪いが、癌に湿布薬を貼るようなものだ。

 では、どうするのか。

 この2007年問題がもっとも深刻な影を及ぼしているのは製造業である。日本経済を支えてきたモノづくりの技能や経験、ノウハウを継承するのはそう簡単ではない。特に、日本の企業の90%以上を占めるといわれる中小企業では、多くの企業がその継承に不安を抱いている。しかしその中で、独自の取り組みを進めている企業が出てきた。

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