NEC、サーバ統合の進化形として「ビジネスグリッド」を展開

NECは、複雑化したサーバ環境の統合や、運用環境の最適化を図るユーザー企業向けに、同社の解決策を紹介するセミナー「NEC Grid Management Forum」を都内で開催した。

» 2006年02月02日 19時12分 公開
[怒賀新也,ITmedia]

 NECは2月2日、複雑化したサーバ環境の統合や、運用環境の最適化を図るユーザー企業向けに、同社の解決策を紹介するセミナー「NEC Grid Management Forum」を都内で開催した。

 サーバインフラを簡素化するための方法について、Itanium 2ベースのマシンやブレードサーバを用いた従来の「サーバ統合」から一歩進め、企業内外も含めた最適化を目指す「ビジネスグリッドコンピューティング」の形で、同社がソリューション展開していくことが紹介されている。

ブレードサーバの「冷却」の問題にも最新のテクノロジーを用いていると話す泓氏

 同社プラットフォーム販売本部の泓宏優マネジャーは、企業の情報システムの今後の展開について、リアルタイムマネジメント、ワークスタイル革新による生産性向上、リスク管理、ライフサイクル管理などをテーマとして掲げる。それにより、「既存システムの維持コストを削減し、市場環境の変化や業務変更への即応力を身につけるための戦略投資が必要になる」と話している。

 それを実現するためのプラットフォーム環境として、NECは、人事や会計、CRMなどに分散したインフラ環境を、リソースの仮想化技術による企業内データセンター化で統合することを推奨するという。

 さらに、外部システムとは、リモート環境で動的なリソース再配分を行う「ビジネスグリッド技術」により、インターネット上でのWebサービスによる連携、ディザスタリカバリ環境の構築などで連携していく。

 具体的な製品として紹介されたのが、サーバ統合を可能にするための「シグマグリッド」だ。シグマグリッドの特徴は、分散したITリソースを統合し、最適な配置を行えること。

 統合シナリオとして、「A、B、Cそれぞれの部門の業務システムをシグマグリッド上でDとして再構築するケース」と「A、B、Cという別のサーバに分かれて運用されているシステムをそのまま1台のシグマグリッド上に統合する」という2つが示された。後者のケースにおいては、シグマグリッド上で別々のパーティショニングとして、A、B、Cを完全に独立した形で構築することができる。

 同社が特に強調する技術は、CPUとディスクの従属関係を流動的に設定できる「フローティングI/O」だ。一般に、従来のサーバ環境では、サーバとディスクは1対1で従属しているため、サーバとI/Oとディスクはセットで用意する必要があった。

 だが、フローティングI/Oを用いた環境では、CPUとディスクの間に「クロスバースイッチ」を挟むことにより、両者の間の関係を流動化させることができる。そのため、障害などが発生した場合に追加する予備のリソースを共通化することができるようになる。つまり、I/O部分を仮想化することによって、リソースの柔軟な設定が可能になるわけだ。

 また、この日は、LinuxやWindows、HP-UXといったマルチOS環境においても、シグマグリッド環境を効率的に管理するための統合管理ミドルウェア「SigmaSystem Center」も紹介された。

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